ラフバラー大学は「スポーツ」で有名です。
とは言っても、日本のように「スポーツ有名」=「選手がスポーツしに来る場所」という感じでもないようです。

割と純粋に学問として出来ているあたりは日本のスポーツ大学とはちょっと雰囲気が違うところ。

そんな大学であることも手伝って、多くのスポーツ系の方が日本から学びに来られます。また、JSCという日本スポーツ振興センターの出先機関も大学内にあったりして、そういう本職の方の話も聞くことが出来て非常に勉強になります。


日本でスポーツというと、「感動を与えるもの」のように捉えられ、お金とは無縁であっても美しいものだという印象がありますが(個人的にはスポーツで勇気付けるとかそういう言葉は凄く嫌いですが)、ヨーロッパでは完全にしっかりとビジネスとして捉えられており、それがめぐりめぐって選手の育成環境だとか、スポーツ自体の広まりとかに寄与しているとのことです。

英国がスポーツを非常に強く後押しする背景には医療費の削減、自殺率の減少、うつ病の対策と様々なメリットがあるからというのもうなずけます。

そういうこともあり、日本のスポーツ機関がわざわざ人を派遣して英国のスポーツのMONETIZATIONを調査したり、学んだりさせているようです。


確かにこちらで人気が有るスポーツはしっかりと選手にも地元にもお金が落ちるようになっているし、ちゃんとビジネスとして動いているように思います。

では何故日本は学ばなくてはならないのでしょうか?

そのあたりの疑問を自分の仮説を交えて訊ねました。

自分が思ったとおり、スポーツ関係の組織は組織として体をなしていない場合が多いそうです。それの理由は非常に明確で…主に二つ有るそうです。

1.スポーツ界以外からのリクルートが上手く出来ていないから

だそうです。ちょっと言いかたは悪いですが日本のスポーツ系大学、高校ですとどうしても「スポーツだけの人」の育成機関である傾向が強くなりがちです。

まともに基礎学力を持たない人や、基礎知識が無い人ばかりを集めてスポーツ組織を組織しても素人が会社を経営しているようなもので上手くいくはずも有りません。
日本サッカー協会とか見れば、トップの人達は皆「元日本代表」とか選手。普通に勉強してきたような人は見当たりません。

もちろんスポーツもできます、一般的なお勉強もできますという人も稀にいるかと思いますが(東大出身のjリーガーとか)、大半がスポーツ専門の人材であるわけです。


2.アカデミアや研究機関の弱さ

スポーツサイエンスと言う言葉があるとおり、スポーツをする上では科学は外せません。しかしながら、日本でのこういう分野の研究者・技術者は非理系出身者が多い。そもそも理系であれば、理工学系に進学するのが普通なので理系でもない文系でも無い人がこの世界に身をおくことになります。

一方で、ヨーロッパではスポーツに理工学系のリソースを注ぎ込んで勝負をしているそうです。例えばスピード系のスポーツなら流体解析は欠かせないでしょうし、動作が加わる以上、物理法則は必ず必要になる概念です。

ボブスレーのそりを作る際にはマクラーレンが形状設計をしたとか、そういう話が出てくるわけです。

やっぱり餅は餅屋で、こういうことをやらせるならちゃんとしたサイエンティストにやらせるのが一番いいってのは当たり前かと思います。

これをスムースにするには日本の大学入試自体から改革する必要がありそうです。つまりスポーツ系を専門に科学する学部を理工学系の中に入れてそこからの人材をスポーツ界で生かすようなことをしないとダメですよね。

まぁでも理系の一人としてこの状況をイメージしてみると、命の無いところに命を吹き込むことが楽しくて理系をやっているので「スポーツサイエンス」的なものは理工学部にあってもちょっと不人気かもしれませんね。

自分が大学受験の時を思い出せば、とある私立の法学部(弁護士になりたいと言っていた)に合格した友人が「早○田」にどうしても行きたいといって早○田のスポーツ科学部に入学しました。
別にスポーツを勉強したかった訳でも無く、ただ同じ大学の中では突出して偏差値の低いスポーツ系学部に進学したというだけの話です。

「偏差値が低いから合格できた。だから行く」というのではなく、「スポーツ科学をやりたい」と思って入学する人を増やすことが重要です。



個人的にはスポーツは国威高揚に大いに役立つと思うので、失われた日本人のアイデンティティーを復活すべくスポーツ選手には頑張ってもらいたいです。
なでしこが2011年にwカップで優勝したときは初めてスポーツで涙しました。

なので簡単には「勇気付けたい」とか選手には言って欲しくないわけです。

勇気付けられるかどうかは自分の問題なので。

それよりも誰よりも自分の為にいい成績を残して欲しいです。