今12,13日、ブラジルのジルマ・ホウセフ大統領は就任後、初めて中国を訪問する。
今や中国はブラジルにとって、最大の貿易相手国及び重要なパートナーである。
中国では、胡錦濤国家主席と会談を行い、2国間貿易や投資、科学技術協力など中伯戦略パートナーシップの深化について話し合われる模様。
中国は、2009年の金融危機でアメリカのブラジル産品の輸出が減少して以来、ブラジル産品の最大輸出国となっており、ジルマ政権でも最重要パートナーの一つである。
(2010年の両国間の貿易総額は、前年比52.7%増の560億ドルとなっており、ブラジル側の貿易黒字となっている。)
またブラジルへの直接投資においても、中国は最大の投資国となっている(うち85%がエネルギー、鉄鉱資源、鉄鉱石の開発事業に向けられている)。
前ルーラ大統領が就任した2000年代初頭頃までは、日本がアジアにおけるブラジルの最大パートナーであったが、現在では韓国にさえも抜かれそうな勢いであり、日本のプレゼンスは大きく低下している。
今回、中国をアジア初の訪問相手国と選択している(日本への訪問は未定)。
今回の訪問では、エネルギー・インフラ・食品・テクノロジーの分野など約300人の企業家を引き連れていくこととなっており、中伯企業セミナーが開催される予定。
ジルマ大統領は、今回の訪中では、「相互性」を求めるとのこと。
逆にいえば、現状の貿易構造をブラジル側は「非相互的」であると考えている。
すなわち、ブラジル側の輸出品の約95%が鉄鉱石や大豆などの一次産品(そのため、中国からブラジルへの投資の大部分が資源開発部門に向けられている)。
とりわけ、鉄鉱石・大豆・石油の3品が輸出の80%を占めている。
他方、中国からブラジルへの輸出品の大部分が工業製品。
これらの製品は、人民元の安値の維持に加え、レアル高によって、ブラジルの国内産業を破壊しており、この「オランダ病」はブラジル対外貿易の懸念事項となっている。
ジルマ大統領は今回、中国に豚肉・果物の輸入を働きかけるなど、対中輸出品目の拡大を図っていく予定である。
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中伯貿易関係では、明らかにブラジルの分が悪い。
一次産品は値段の上下の変化が大きく不安定。
ブラジルの工業力よりも中国のそれのほうがずっと高いし、近くに日韓もあるから、わざわざブラジルから工業品を輸入する必要もないし。
また果物や肉なんて近隣の東南アジア諸国から安価でも購入できるし。
ブラジルがこれからどうしようと考えているのかは知りませんが、対中国への工業品輸出は諦めて、一次産品のみを輸出し(幸いブラジルは広大な領土と地下の天然資源に恵まれているので)、工業品はより技術の劣っている南米やアフリカ諸国に輸出していくのが、オランダ病から逃れるための一番方法なのではないでしょうか。
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【参考】
BBC
http://www.bbc.co.uk/portuguese/noticias/2011/04/110410_dilma_china_domingo_ss.shtml
MRE
(了)