ニューヨークの街を歩くと、とことんカジュアルな格好の人達が目に入る。

夏ならTシャツ+レギンス+スニーカー。

冬にはその上にダウンジャケット。

スッピンでポニーテール。

こんな格好で普通に街に出る。

それは日本人からしたらある意味特殊な光景で。

「もっとオシャレな街かと思った」


という言葉を聞くのも珍しくない。

無理もないよね。日本人の感覚からしたら「だらしない」と思われてもしょうがない格好だし。ランニングしてるならまだしも、そんな格好で街中を歩いてる人はあまり見かけないもんね。

んでも、"この人達"が、オシャレじゃないのか?っていうと、全くそんな事はない。

むしろ、とことん磨きをかけている。


シチュエーションに合わせて、ドレスを選ぶ。カジュアルからブラックタイまで。

オシャレで可愛い時もあるし、レッドカーペットを歩くようなエレガントでカッコいい時もある。

爪は、ジェルよりマニキュアが主流。ドレスによって色を変えるから。3週間ごとに変えるんじゃあ「スパンが長すぎる」のだ。

メイクは自分でする人もいるけど、ドレスアップする日はプロにお願いする事も多い。ウチのサロンにもメイクアップアーティストがいるし。

百貨店にいるメイクアップアーティストにお願いしたり、ハウスコールで来てもらったりってのもよくある。

そしてヘアスタイル。


友達とパーティに行くから。

ボーイフレンドとディナーに行くから。

大切なミーティングがあるから。

写真を撮るから。

週末だから。

週の初めだから。

そんな時は、サロンに髪をスタイリングしに来る。シャンプーブローをするのだ。

Frederic Fekkaiのブローは一律$95。TipやTaxも入れると、$120位かな?日本円で約12000円くらい。

もちろん、週に3回くらいかかさずにブローしにくるセレブなお客さんもいるけど、皆がそういうわけじゃない。

他で節約してでも、プロにブローしてもらいに来る。

それくらい、髪って大切なんだよ。


それくらい、皆が「ヘアスタイルが与える印象の大切さ」ってのを知ってるのだ。


世界中から来る旅行客も、ブローをしにお店に来る。

NYの街を歩くために。

サロンでヘアスタイルを整えて、ホテルでドレスアップして街に繰り出す。

男性だってそう。

ヘアスタイルにもよるけど、3〜4週間ごとに欠かさず髪を切りにくる。人によっては2週間に1回。

普段はカジュアルでメッシーなスタイルが好きでも、

タキシードを着てビシッと決める事もある。

今日も、カンザス州に住む僕の男性のお客様は、来週に控えたウエディングの為に日帰りでニューヨークまで髪を切りに来た。

カジュアルな格好をするのも、シチュエーションによるわけだ。ジム帰りだったり、散歩だったり、公園とかヨガとか…

意味もなく「ラクだから」そんか格好をしてるわけでもない。(そういう人もいるけどね笑)

日本では珍しいでしょ?

どっちがいいとか悪いとかじゃなくて。

とにかく「違う」

でも特に日本はかなり特殊。


他の国々の人達が割と共通して持ってる事が多い感覚でも、日本では馴染みの無いものだったりする。

語弊を恐れずに言うなら「ガラパゴス化」しすぎなのだ。


だから「外国人風カラー」とか「外国人風ウェーブ」なんていう、恥ずかしい言葉が当たり前にまかり通っちゃってるのだ。

だいたい、「外国人」って何人よ?白人?ヨーロピアン?ブロンド?お隣の韓国人だって外人だし、アメリカにもヨーロッパにも黒人とかスパニッシュもいっぱいいるよ。

日本人が言う「外国人風カラー」のほとんどは、外国ではまず見かける事はないであろう、独特の色合いだ。

日本人が言う「外国人風ウェーブ」のほとんどは、外国ではまず見かける事はないであろう、独特の質感だ。

別に「ダサい」って言ってるわけじゃなくて

「違う」んだよね。

僕は日本の美容師さん達の事、上手いと思うし尊敬してる。

でも、知らなすぎる。


だから世界じゃ通用しないんだ。だから「上手い」はずの日本の美容室に、世界のセレブが髪を切りに来る事がない。

アジア人の髪を切るのは上手いはずなのに、アジアの「洗練された人々」は日本を通り越してNYまで髪を切りに来る。

「知らない」から、アメリカ人の美容師は雑で下手だと思い込んでる。

「知らない」から、アメリカ人のお客さんは不器用だから自分でスタイリングなんかできないと思い込んでる。

「知らない」から、日本人の美容師は世界で通用すると思い込んでる。

でも触れてみると、そんな事ないってのが分かるんだ。

上手い美容師、めっちゃいるよ。自分でスタイリング上手にする人もいっぱいいる。上手いとか下手とかじゃなくて、違うって事が分かる。

知らない事に触れる事は、とても大切な事だと思うんだよね。


特に、ファッションやビューティの業界で働いてるなら。

芸術でも文化でも「全く違うもの」に触れた時に、それまでにない位の進化を遂げる。


ゴッホが浮世絵に影響を受けたように。

シルクロードによってアジアとヨーロッパがお互いに文化に影響を受けたように。

鎖国を解いて、急激に発展した日本の様に。

異国や他文化との交流が「成長」を劇的に促すのは歴史が証明してる。

真似して、「らしさ」を捨てるんじゃなくて

取り入れて、「進化」するために。

もっと知る事。触れる事。感じる事。

大事だと思うんですよね。

via TOMOHIRO ARAKAWA
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