僕、割とお酒好きな方です。

基本何でも飲むけど、特にワイン。結構好きです。

夏は白とかロゼも美味しいけど、やっぱ好きなのは赤ワイン。

とは言っても、ちゃんと「美味しい」ワインに出会ったのはNYに来てから。

日本にいた時は「ボジョレー解禁したから飲もーぜー!」っていう、メディアに踊らされてるだけで、味を知らないミーハーマンだったんだけどw

いろいろ飲んでみて、特にカリフォルニアのワインは結構好きで。

雨が少ないから、スプリンクラーで調節する。だから気候に左右されなくて、年によるハズレが少ない。

特にナパバレーで造られるワインには名作が本当に多い。

まぁ、そんな事はどうでもいいんだけど…

最初に感動したのがこのワイン。
【The Prisoner】

プリズナーって「囚人」って意味。えげつないラベルなんだねど。これが衝撃的に美味くて。先輩に教えてもらったワインで。赤ワインにハマるキッカケになったやつ。

ブレンドワインで。絶妙なバランスで数種類のブドウがブレンドされてて、コクがあってまろやか。アルコール度数はちょっとだけ他のワインより高め。

最初はOrin Swiftって会社が作ってたんだけど、2度に渡って大手に買収されて、今では超有名になってしまった。なんかインディーズから応援してたバンドがメジャーデビューして売れっ子になったみたいな、嬉しいけどなんか寂しい感じw

日本で買ったら¥8000〜¥10000くらいかな?こっちではそんなに高くないけどね。

British Airlineのビジネスクラス以上に乗ると、このワインをサーブしてくれます。

…てか、

「ワインを紹介する記事」じゃないから長ったらしく書きたくないんだけど、どうせならいくつくか好きなやつ載せますね。w
Coppolaの【Director's cut】
これもブレンド。

【Caymus】のCabernet Sauvignon

【Justin isosceles】
2012とかだとかなり高い。

書き出すとキリがなくなってくるからこの辺で止めとくけど…本当に美味しいワインっていっぱいあるんだよね!

さて!こっからやっと本題!笑


今回は誕生日の後夜祭って事で、家で飲む為の美味しいワインを探してて。

ワインディーラーのお客さんにオススメしてもらったTodos Jonataのワインを試してみようと思ったんだけど。
残念ながら、俺が寄ったワインショップには売ってなかった…。

んでも「これを探してる」って言ったら、1人の店員がノッてきた。

よく行くお店なんだけど彼は初めて見る人。

試飲用のワインを片手に、少しホロ酔いの彼は、僕に質問をしてきた。

「普段は何が好きなの?」


と。

「まぁ、一番好きなのは、なんだかんだプリズナー(一番上の写真)かなぁ?」

彼はそのままじっと聞いているので、続けて言った。

「スムーズでまろやかなのが結構好きなんだよね。他にも〇〇とか△△も好きだよ」

と、他にも似たようなブレンドのワインの名前を並べた。

「んでもまぁ、今日は探してたやつが無いなら、とりあえずプリズナーでいいかな。間違いないし」

と。プリズナーを手に取った僕。

ここからだ。

店員「Ok. I got it. Have you tried this wine? If not, you should definitely try it. It's very smooth, dry, but still has a lot of spices that's the deference. And this is made by ZINFANDEL Not blended.」

《オーケー!分かった!じゃあこのワイン飲んだ事あるかい?ないなら絶対飲んでみた方がいい!スムーズでドライで…それでいて辛口だ。そこが(プリズナーと)違うところだね。これはジンファンデル(ブドウの種類)で造られてて、ブレンドワインではないよ!》

ちょっとのあいだ、僕の話を聞いて…
閃いたように、そして畳み掛けるように僕の目を見て話す。しかも、「似てる」やつじゃなくて、あえてちょっと「違う」やつを。

それを聞いて、ちょっと考えてたら…

店員「I'm gonna say something terrible...」

《ちょっとエグイ言い方するよ?》

(なんだよ…?)

店員「If the Prisoner is "a great cartoon", this is "Mona Lisa"」

《もしプリズナーが「よく出来たアニメキャラクター」だとしたら、これは「モナリザ」だよ》

いや…もう。

試してみるしかないじゃんか。


分かるだろうか?

もうプリズナーを手に取ってるんだし、好きだって言ってるんだから、それを売れば無難だし、僕もきっと満足してた。

価格も同じくらいだし、お店にとっての売り上げも変わらない。

でも、敢えて少しひねって、僕にベストだと思うものを提案してくる。

しかも僕の好きなプリズナーを「よく出来たアニメキャラ」と例えてる事で、柔らかく否定してw

そこに「モナリザ」という別格の例えを被せて、それが"別物"であり、"知らないわけにはいかない"と思わせる…

【RIDGE】

美味しかったよ。息子くんを寝かしつけた後、久々に乾杯した妻も

「プリズナーよりこっちの方が好きかも」

って。気に入ったみたい。

ギャグっぽく書いたけど「柔らかく否定する」話術って、本当に必要な時があるんだよね。

たまにね、お客さんでも「求めてるデザイン」と「気に入ってるデザイン」が食い違ってる事があるから。


大企業の幹部で、プロフェッショナルに見えなきゃいけないのに、ふわっと可愛い髪型してたり、

モードでカッコいいファッションブランドで働いてるのに、とっても退屈な髪型してたり、

逆に、接客や接待をする事が多くて、フレンドリーな印象が必要なのに、めちゃ奇抜な髪型してたり…

似合ってないわけじゃないんだけど

「こっちの方がベターだな」って提案したい時。あるんですよね。

でもお客さんの方はなかなか提案を受け入れる準備が出来てなくて悩んでる時は

現状を「柔らかく否定」してあげる。

背中を押してあげるってこと。でも決して傷付けないように。優しく。時にはユーモアを交えて。押し付けがましくなく。

難しいよねw

だから、この店員の「セールストーク」は上手いなぁって思った。

  • よく聞いて、相手を知る事。
  • 好みをなぞるだけじゃなくて、そこに「提案」を加えること。
  • 新しいモノにトライする背中を押す、口説き文句を添えてあげる事。
もちろんベストな提案をする為に「引き出し」を増やしておく事が大前提だけどね。

僕は次、またおいしいワインを飲みたくなったら彼に聞いてみようって思いました。

また「同じもの飲みたい」だけなら、オンラインで買えるけど

「意見」を買いに行く時は他には行けないもんね!



via TOMOHIRO ARAKAWA
Your own website,
Ameba Ownd