10年の夢 | 高田馬場ではたらく舘ひろし似の社長のblog

10年の夢

その街を訪れるのは3年ぶり、のはずだ。


幸雄さん、お久しぶり


幸雄さん、3年経っても相も変わらずで・・・


声をかけられる。


だが、


記 憶 が な い。


幸雄はここ10年の記憶がないのだ。

覚えているのは、


自分が幸雄という名前だと言うこと。今年59歳になったこと。

高田馬場で会社を経営してると言うこと。

4人家族であること。ビートルズの名曲、先週の競馬の結果、

そして昨日の晩御飯・・・。


それだけだった・・・。



幸雄さん、どうして3年も連絡くれなかったの・・・?


ま、まずい・・・。


その女性には微かながら覚えがあった。

そう、確か「クラブ プリンセス」の看板娘、エミルだ。

娘、と言っても幸雄とはそんなに年の差のない女性だった。

3年前、毎晩のように通いつめて口説き落としたが

いざとなると幸雄は無言でこの街を去った。


妻子ある幸雄は生まれてこのかた幾度も体験した「ビビり」

を再び感じたのだ。


幸雄はすぐさま頭の中にある「ごみ箱」フォルダへ全ての記憶を放り込んだ・・・。

そう・・・これでいい・・・


幸雄は彼女に悲しい愛想笑いを浮かべ、足早にこの街を去った。

幸雄の長い旅はまだ・・・続く・・・。



(了)




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