歴史的ウルトラマンとしてのジャクソン・ブラウン | 愛と平和の弾薬庫

愛と平和の弾薬庫

心に弾丸を。腹の底に地雷原を。
目には笑みを。
刺激より愛を。
平穏より平和を。
音源⇨ https://eggs.mu/artist/roughblue

Jackson Browneを聞くとどうしても高校時代を思い出してしまうのは、

高校で最も一緒にいた友達がJackson Browne頭をしてたから。

もちろん、

と言ってもJackson Browne頭をしてる人が

すべてJackson Browneのファンってことはそれこそもちろんないんだが、

Jackson Browne頭をしてる彼の一番好きなのがJackson Browneだったせいで、

俺の中では「Jackson Browne頭はもちろんJackson Browneがすきなのだ」

ってことになってるので、というわけでJackson Browneを聞くと、

My Heart Goes Out to the High School Daysなのだ。


似合いもしないサラサラヘアーを肩につくかつかないかまでさらさら伸ばして、

でもそのさらさらなまっすぐ加減は癖っ毛天然パーマの俺にはすごいうらやましかったんだが、

でもやはり彼のデカ垂れ目、デカ出っ歯の顔にはあまりにさらさら過ぎて、顔のバランス的には

全然うらやましくなかったんだが、でも彼がJackson Browneを好きなそのあり方は、

なんだかうらやましかった。


なんだか、寄り添うように、彼はJackson Browneが好きなのだった。

俺がBostonやEaglesをがつがつ聴くのとは、それはまったく違う態度だった。


「きみはThe EaglesやFleetwood MacやBostonや、それに僕が全然聴きたいとも思わない

Led ZeppelinやDeep Purpleまで聞いてそれをみんな自分の好きなものとして消化できてる

みたいだけど、ぼくにはこれだけでいいんだ。Jackson Browneだけで」


というようなものが彼とJackson Browneのあいだには感じられたのだ。


もちろん(俺はよくこの言葉を使うなあ)、彼はほかにもいろんな人の音楽を聞いた。

Marshall Tucker BandやDan ForgelbergやLinda Ronstadtのレコードを俺にも貸してくれたし、

Eaglesの「Hotel California」なんて、持ち主の俺よりも聴きこんでたんじゃないだろうか。

(俺は彼に「Hotel California」を三度も貸した)


今わが家にある、Jackson Browneの初期五枚目までの音源は

彼が貸してくれたレコードからのものだ。

Linda Ronstadtの「夢はひとつだけ」も残ってる。

Dan Forgelbergも、と言いたいところだけどもそれはどっかに行っちまった。

彼のように。

いや、あっちこっちにふらついて行方不明になったのは、俺のほうだった。


それにしても、サラサラヘアーにもまして、

ジーパンの似合わない男だった。



こないだ、小林克也の番組で今のJackson Browneを見た。

雰囲気がミュージシャンって感じじゃないなあ、と思いつつ見てて

だったら何の雰囲気なのだ?と自分に問い続けて思いついたのが、

小説家先生、だった。

先生でも教授でもなく、どこか、小説家先生。


「彼」は石巻で小学校の先生してるって聞いたことがあるけど、

ほんとのところはわかってない。