大河ドラマの最終回で涙が溢れだなんて、はずめでだ。
すげえな、し。
西郷頼母(西田敏行)――数十年ぶりに再会した八重との会話
「八重……わしゃなあ、新政府がなじょな国作んのが、見届けんべと生ぎ抜いできた。
んだげんじょ、戊辰以来、わしのまなご(眼)に焼き付いだのは、
なんぼ苦しい時でも、懸命に生きようとする人の姿、笑おうとする人の健気さ、
そればっかりが俺の心を、胸を、揺さぶんだ……」
新島八重(綾瀬はるか)――國民新聞主宰、徳富蘇峰との会話
「(人民を動かす言論の)その力を何に使うのですか?
人を動かすその大きな力を……。
力は、未来を切り開くためにつかわねばなんねえよ」
「むがし、わだしが生まれた、会津という国は、おぉぎな力に飲み込まれた。
わだしは銃を持って戦った。
最後の一発を撃ち尽くすまで……一人でも多ぐの敵を倒すために。
んだげんじょ、もしも今、わだしが、最後の一発の銃弾を、撃つとしたら……」
若い八重が銃を撃っている。
敵に向けて打った弾の薬莢がはじけ、
八重は最後の銃弾を銃に込め、そして空(太陽の光)に銃を向け、撃つ。
八重が最後の一発を向けた空(太陽)は、何を意味するのか、はっきりとは語られない。
勝手に解釈するしかなくて、なんとなくぼんやり、
「まだ見ぬ未来」?
「巨大な力」? とか思う。
でも、特定なんてしなくてもいいんだと思う。
わかっちゃった人だけ、勝手にわかってればいいのだ。
戊辰の戦乱以降はどうしても淡々とした展開とならざるを得なかった「八重の桜」だげんちょ、
最終回は、いやまんず泣げだ。
最後にもう一発、八重の言葉。
「花は、散らす風を恨まねえ。
ただ、一生懸命に咲いでる」