ロッキングオンというロック雑誌があって、そこの創刊メンバーで社長の渋谷陽一は
音楽音痴みたいなところがあるけれど、でもやっぱりなんだかんだ言っても
「素晴らしいロック評論家」で、そんな彼が言ってて最高に素晴らしい言葉だなと思うのは、
「ロックシーンだとか、そんなものはどこにもない。
あるのは聞いてる自分とその音楽の関係だけ」
これは案外何にでも当てはまるような気がする。
たとえばプロ野球とか。
だって、タクシー運転手なんてやってると実にわかんだよね。
「ファンとしての在り方」みたいなのがみんな違う。
たとえばひとつのバンドを、
ある人はメロディーがよくて聞いてる。
ある人はリズムが心地よくて聞いてる。
ある人はボーカルの声だけ聴きたくて聞いてる。
ある人はなんとなくホッとできるからってだけで聞いてる。
ある人はみんなが聞いてるから聞いてる。
けなしながら聞いたり、涙しながら聞いたり。
それぞれに、ファン。
楽しんでる。
「ほんとのファン」なんて、どこにもいない、いなくていいんだよなあ。