世の中にはつまらないものが一杯ある。
J-WAVE(仙台ではラジオ3)というFMラジオでやっている「Jam The World」というのもそのひとつだ。
社会問題を大真面目にしっかり取り上げ、視聴者の意見もしっかり聞き、放送している番組だ。
大真面目にしっかり取り上げているのなら、視聴者の意見もちゃんと聞き入れているのなら、
それは素晴しい番組じゃないか。
それのどこがいけないのか。
いけないどころか、つまらないと一蹴してしまうほうがよっぽど「いけない」じゃないか。
しかしやっぱり「いけない」。
十人十色、人それぞれ、って絶対あるでしょ。
しかし毎日毎日、パーソナリティーは早口で固く次々締めくくっていく。
「……すべきだと思います」「どうにかならないものでしょうか」「このままではいけません」
冗談など通じない雰囲気。
俺の大嫌いな雰囲気。
ああ、そうか、ただ単に俺がそんな雰囲気が嫌いなだけか。
そっかそっか、聞かなきゃいいだけか。
でも聞いちゃった。
Date FM(FM仙台)も東北放送もくだらない番組しかやってなかったから。
で、やっぱりつまらなかった。
いや、つまらないどころじゃない。
おいおいおい!なんなんだこいつは!である。
腹が立った。
番組の中の「15ミニッツ」というコーナー。
お題目は【スピリチュアルブーム、反対派の立場から】
ゲストとして呼ばれ一席ぶったのは……
↓
物理学者、早稲田大学名誉教授の大槻義彦さん
(本人公式サイト http://ohtsuki-yoshihiko.cocolog-nifty.com/ )
テレビ朝日方面でUFOや宇宙人など口にするのもバカバカしいと公言してはばからない、あの人である。
彼の論旨はこうだった。
○オーラだの、前世だの、見えもしないものを信じられるわけがない。
○そんなものをテレビで垂れ流し、スピリチュアル・ブームなどを形成し、
世に霊感商法を発生させているのは罪悪だ。
○粉砕せねばならない。(そのために本を出版する)
滅茶苦茶だ、と俺は思う。
俺の近辺にはオーラが見えてしまう人がいる。
人の前世がわかってしまう人がいる。
そういう人たちが――なんと偶然に!――知り合い、集まってお互いの「意識」を上げるために、
(上げていくと喜びが得られる、というよりも、上げていかないと本人たちが苦しいから、
生きていくのがいくらか楽になるから、だと言う)
事務所さえ構えて日々研鑽に励んでいるのを知っている。
そういう、商売などとはまったくかけ離れた所で自らを鍛えようとしている人間たちがいることさえ、
大槻氏は認識していない。まったく知らない。
そんな口ぶりだった。
とにかく、「見えるわけないでしょう」「見えないのに信じられるわけがないでしょう」の一点張りなのだ。
お話にならない。
そんな人が本を出す。(「“江原今様イタコ”の批判本」との本人弁)
江原啓之氏や美輪明宏氏をを詐欺師扱いし、金儲けをしたいだけの霊感商法のやからと一緒くたにして
語るような人間が。
UFOぐらいに留めておけばいいものを。
すべてを一色に染め上げないと気がすまない人。
怖い。
そんな人に、時間的都合もあるのだろうが、反論もはさまずにひたすらしゃべらす「Jam The World」。
江原氏や美輪氏が同じ土俵に乗ってもおそらくは永遠の平行線、対談さえありえないとは思われるが、もし、対話がなされるようなことがあったらしっかり言ってやってほしい。
あなたはしっかり人を傷つけているのですよ、と。