気がつくと俺はとあるデパートでエレベーターに乗らなければならない状況に置かれていて、目の前にあるのはいつものそのエレベーターなのだ。
どうか、うまく降りられますようにと祈りながらちょっと大き目の箱に俺は乗り込む。しかしいつもそれは落ちる。
デパートは今はもうない、むかし存在したデパートである。というかデパート自体は名を変え店を変え続いているのだが、いつもの夢で出てくるのは名を変えたり店を変えたりする前の、その場所に根を下ろした最初のデパートなのである。
いつのまにかその昔なつかしいデパートに俺はいて、うぐぐどうしてもエレベーターに乗らなければならない!という状況にいたっていて、はて気がつくとそのエレベーターしか使えないことになってしまっているのだ。
そして止まるべきところで止まらずに、落ちる。
今はもう見なくなったが昔はよく見た、という夢が俺にはなぜかたくさんあって、そのうちのひとつがこのエレベーターの夢。思い出すだけでぞっとするが、とにかく俺は殺されはしなかった。