そこまで伴走してきたアレム(エチオピア)とバルシュナイテ(リトアニア)をして、とてもついていけたもんじゃない!とまで言わしめた35.7kmでのスパートは、誰よりも過酷な練習を試み続けてきた人間ゆえの鮮やかさ。
まるで近所のコンビニにでも行ってきましたってな感じの、ゴール後のあっけらかんは、まだまだ走れる余力を残しているからこその、誰よりも多くの練習を積み重ねてきた人間ゆえの底力。
自らの復活、その感動に打ち震えるでもなく、のびのび語りに語る優勝インタビューは、誰よりも分厚い練習を繰り返してきた人間ゆえの饒舌。
つまり、高橋尚子ゆえの鮮やかさ。底力。饒舌――人間的な曇りのなさ。
人間は、まっすぐ突き進めば神にさえなれる。
それを体現して見せてくれているのがQちゃんなのだった。