ショーから借りたルースターズのDVDを持ってブラブラといつものようにウォーキング、で、ケンの家へ行き、「博多ビートクラブ」というビデオを借りてきた。これもショーのものだ。また借り仲間の俺とケン。そんな仲間のケンには大銀園のなしも持って行ってやった。これは汁がすごいので食う時は気をつけなければならない。無造作に子供に与えるとそこいらじゅうにアリがたかるんだぜ。アリだ。アリはアリアリアリと大多数でたかってくるから怖い。気がつくと家を乗っ取られていたりする。本当だ。俺が前の前に住んでいた一軒家はアリアリアリの家になっちまったから辛抱たまらず8キロ離れたアパートに引越したぐらいなのだ。タロはずいぶんそこで快適な暮らしを送った。なぜならベランダがサンルームのようになっていたからだ。タロはそこですくすくと育った。タロにとってはあそこが一番の家だったに違いない。しかし俺は商売を始めようと企んでしまった。ベランダがサンルームのようなアパートを出ると俺とタロの暮らしは一転、ザワついたものとなった。なんてこった、とタロは思ったに違いないが、素直に付いてきてくれた。お客にも愛想よくスリスリをして回ったもんだった。タロは、そう、すんげえいいやつなのだ。