3日前からずっとThe Roostersの再結成ラストライブのDVD「Re・Birth II」ばかり見ている。借り物なので返すまでにしっかり目に焼き付けようという魂胆なのだが、そればかりでもない。どうしても見たくなっちまうのだ。
The Roostersは悲劇的としかいえないような運命を感じさせるバンドだった。当時はメンバーの入れ替わりでその悲劇性を垣間見るしかなかったのだが、このDVDでそれは大江慎也の身体や精神のせいだとはっきり知るにいたり、ここへきてさらに彼らの悲劇性をしっかり認識するに至った。花田は男だ!と思った。素晴らしい男だ。
しかしなんといっても目を引くのは大江慎也の存在感である。
歌がうまいわけじゃない。姿かたちがカリスマ性を感じさせるわけでもない。ところがまっすぐこっちを射抜いてくるのである。彼の体の奥深くから、細く小さく、しかし輝きに満ちた鋭利な光が飛び出してくるのだ。それが俺たちを射抜く。
見た目はなんてことない、ただの中年男だ。だが、目を虚空に向けてむき出し、歌詞を吐き出したとたん、20年前の大江慎也がそこにたち現れる。
魂は永遠。