4月30日、伴侶とサテンドール へ。いつもの風ズ &MyBabys に加え、三宅伸治 を見る。
はっきり言って三宅伸治は、我が家ではいまいちの人気だった。清志郎 のコンサートで何やらえらそーにふんぞり返り、たまに自分の歌を歌ってもあまりよいと思えずにいたのだ。7・8年前に盛岡で見たコンサートで歌った歌など、どこか長渕剛的な暗いフォークソングで辟易したものだった。そんなだから4月30日も、もし入り口で入場者過多、座れそうにない雰囲気が漂っていたならば数時間も立っていられるもんじゃない、帰ってこようとさえ思っていた。泰華楼 で一杯やって焼きそばでも食って帰ってこようぜ、てなムード。
しかし、入れた。入れたからには、そして3000円、いや夫婦で6000円も払ってしまい無事座れたからには帰れるもんじゃない。覚悟を決めた。しかして……
よかった。これぞコンサートである。
この日ばかりはいわゆる前座となったMyBabys、そして風ズ。緊張感溢れる素晴らしいステージを披露した。風ズにいたっては前座などとは言えない風格さえたたえている。
そんなふたチームの活躍で、三宅伸治が現れる前にサテンドールの雰囲気はすっかりできあがっていた。できあがった暖かい雰囲気に浸りつつ自分の歌さえ歌っていればそこはすなわち「三宅伸治のステージだ」と言ってしまえるほどの準備がしっかりなされていた。
ところがそこがいわゆるプロなのだろう、いったん充分に熟しきったムードを、登場するや否や三宅伸治、一気に自分の色に染め変えてしまったのである。もうMyBabysも風ズもあったもんじゃない。その暖かさだけをしっかり受け継いで、次の瞬間には三宅伸治の空間にしてしまったのである。
数年前、俺と伴侶を辟易させたうっとうしさはすっかり消えていた。そこにいたのは、ギターの大好きな「ヤンチャなブルースンローラー」、スッキリした一人の男、ミヤケシンジだった。
素直に楽しませてもらった。楽しませてもらえた。