老齢者産業 | 愛と平和の弾薬庫

愛と平和の弾薬庫

心に弾丸を。腹の底に地雷原を。
目には笑みを。
刺激より愛を。
平穏より平和を。
音源⇨ https://eggs.mu/artist/roughblue

高橋克彦の「火怨」や「炎立つ」が美しく感動的なのは、阿弖流為や藤原経清の生きざまが常に死と隣り合わせにあり、「いかに生きるか」よりも、「いかに死ぬか」が人間にとって肝心のことなのだと暗に漂わせているからだ。その真理を時代の体制に都合のいいように利用すると特攻隊になってしまうが、やはり常に「いかに死ぬか」は考えておかなければならない。しかし老齢化社会。老後のゆとり。第二、第三の人生。文明社会は人に長生きを幸福だと思わせようと躍起だ。死ねとは言えないから当然だが、そんな社会は新しい産業さえ生む。――入れます保険。入れ歯接着剤やら大人用オムツやら。介護タクシーやら介護施設やら。――老齢者産業。だまされないように。だまされないように。