20才前後のころを思い出そうとするが如く、Patti Smithを聞き漁っている。
あのころ最初に聞いたのは確か「Easter」だった。今回聞いてみて一番Rock的なアルバムだとわかった。一曲一曲もキッチリ作られていて、入り口としては最適だったわけだ。
それから「Horses」。一曲目が「Gloria」で、これもRock的、というかRock以外の何物でもない。だってThemの曲だからね。今回聞いてみてすごくPopな曲が多いのには驚かされた。当時はまったくそんなふうには思ってなかったから。
「Radio Ethiopia」は、当時発表されていたものとしては最後に、Oから借りて聞いた。二番目に参加した、とても短命だったCut Outというバンド(いかにも短命なバンド名だ)で「Ask The Angels」をやった。OがVocalで、東北放送で録音した時のOの「Ask The Angelsです!」と曲紹介する声はあまりにもアナウンサーだったけれど、声はPatti Smithに近いものがあってカッティングだけのギターを弾いていてもすごく気持ちよかった。乗れた。Vocalがバンドの中でどれだけ重要な役割を担っているのか、わかろうってもんだ。いい声はバンドを乗せる。バンドを生かす。だからバンドとの相性ってのも肝心ではあるんだが。
声がいい、ということはいい楽器を生まれながらにして持っているということだと、そんなことを時々耳にするけれど本当にその通りだ。俺にはそれがなかった。というか、手に入れる前にあきらめちまったんだが。
「Wave」は、讃美歌、混沌歌、R&R、子守唄、Patti Smithが彼女の持つ最良の「楽器」を駆使しつくしたアルバムだった。