「Ziaちゃんて、りーちゃんにとって子供？パートナー？一心同体みたいな感じ？」
って聞かれて
う～ん。
ちょっと考えた。
ロットワイラー達はライフパートナーで、一心同体で、私の考えている事全部分かっていて、日常生活は彼女たちとの共同作業ってよく言ってた。
だけどZiaちゃんはそういう言葉が当てはまらず、Ziaちゃんとの歴史を振り返ってみて出た言葉が
「神様」
だった。
口数が少なく、不安や興奮なんかで心が揺らぎやすい犬たちの緩和役で、何かする訳でもなく、そこに居るだけで他の犬達が整っていく、預かり犬のリハビリには欠かせない存在だった。
穏やかで、自己主張も少なく、マイペースで私が居なくても他の犬達との群れに居る事で安心している子だった。
そして先住犬が居なくなって行く度にZiaちゃんの中に戸惑いを感じる様子が伺え、年長者になった時は
「私はリーダーじゃないです。mammyがリーダーだから。」
という感じで、
それまでは私とZiaちゃんの間に他の犬の存在があったのが、それからの全てはZiaちゃんと私の直接の関わり合いで過ごす様になった。
それが2018年の春。
そしてその2年後に年下のプードルの夜叉丸が旅立ち、そこから旅立つまでの約3年半、初めての一人っ子を経験することになった。
夜叉丸が旅立って「一人」で居る事になかなか慣れなかったZiaちゃん。
私が出かける時は悲鳴に近い声で号泣して一人になる事を強く拒んだ。
いつも常にアルファ格の犬が居て、いつも常に問題を抱えたドラマティックな犬が居て、時々やってくる預かり犬が居て、ふさわしい言葉ではないけど、Ziaちゃんはいつも脇役的位置に居た。
いつも犬達に囲まれていた私。
いつも犬達に囲まれていたZiaちゃん。
2人ぼっちになってしまって、そこからは一対一の関係の絆づくりが新たに始まった。
夜叉丸を失った時、
「私が犬たちの寿命を決めていた。」
という事に気づかされた。それは大きな大きな気づきだった。
正に無知の知を認識した瞬間である。
傲慢で愚かな自分が痛かった。
情けなさ、強い怒り、罪悪感という感情に襲われ、胸が締め付けられ、えぐられる様な痛み。
悟りとは差を取ること。
差を取るということは気づくこと。
気づくことで癒しが起こる。
でも、その気づきは余りにも大きくて、心に、魂に本当の癒しが起こるのは、「決断」をして「行動」を起こした時だという事に気づいた。
私は決断した。
「私は自分の責任でZiaちゃんが決める生命エネルギーの終わりまで全身全霊でZiaちゃんを応援する。」
そして、医学という文字を見ただけでアレルギー反応を起こす程に苦手な分野に足を突っ込んだ。難しい漢字がいっぱい出てきてびびった。全然分からないから学校へ何度も足を運んだ。
毎日Ziaちゃんに必要なメニューを組んで試行錯誤した。
お散歩行きたくないですぅーって言うZiaちゃんに、
「mammyを救う為にがんばって」
ってお願いして、ささみをベイトにハードな運動を頑張ってもらった。
Ziaちゃんはみるみると健康になっていき、実習では先生から
「Ziaちゃんはいつもほぼ完璧」
と言ってもらえる位までZiaちゃんの本来の生命エネルギーを出し切れる状態までになった。
今まで無知が故に私が病気にしてしまった犬達に対する罪悪感、
私の勝手な思い込みで寿命を決めてしまっていた罪悪感、
少しずつ少しずつ和らぎ、本当の意味で自分を赦せる自分になっていった。
そして、2023年6月、気象による脳機能の低下でうっすら見えていた目が殆ど見えなくなり、眼振、斜頸等の症状が現れ、
「生きているのが不思議。生きたいという意識だけで生きている」
と先生に言われて、そこからは食事療法の域を超えた新たなケアが始まった。
アドバンス講座は宿題、復習はやった事が無いおちこぼれだから、Ziaちゃんの新たな症状について何が起こっているのか理解するのに時間が掛かる自分を意識しながらも、自分責めをする時間も無く、記憶に残っている先生の言葉や乱雑に書き記したノートや講座の録画を頼りに感覚を駆使してセオリー通りにいかないZiaちゃんの体の動き、流れを掴みにいってはあれこれと試す日々。
次々と新しい症状が出てくる度に、先生が言っていた言葉を経験を通して肚で理解する瞬間が訪れ、学んだ通りにやってみるとZiaちゃんの体はそれに応えてくれた。
「このまま死んでいくのかな」
そう思わされる瞬間を幾度となく経験する中、
そんな中でもZiaちゃんの体に何が起こっているか分かっている自分、
そして、何をしたらいいか分かっている自分で在る事に感謝の念を感じた。
生命エネルギーの円（陰陽の図）が歪な形になったら、それを正常な円に持って行き、本来の大きさに近づけていく。
だけど、それが段々と、正常な円に戻らなくなって、そして段々と小さくなっていく。
八方塞がり、頭打ちになっても諦めるのではなく、嘆くのでもなく、ただただ、生命エネルギーを信頼する。
Ziaちゃんが死にませんようにと祈るのではなく、Ziaちゃんの生命エネルギーを信頼する祈り。
すると歪で小さくなった生命エネルギーがまた、段々と円に戻ろうとし、大きくなってくる。
可視の世界では理屈が合わない何かが
不可視の世界で起こっている。
「意識が先」というこの世の宇宙法則。
肉体というスーツの寿命が来る瞬間まで、
Ziaちゃんは「生きたい」と意識を向け続けてくれた事で、
私は自分の責任で全身全霊でZiaちゃんを応援する事が出来、
そして犬を見送る度に積み重なってきた罪悪感という感情を手放し、傲慢で愚かな自分を赦す事が出来た。
それは大きな大きな癒しであり、大浄化である。
また、「魂」「精神」「肉体」は一体であり、自律神経や氣で結ばれているということを更に深く肚で理解させてもらった。
Ziaちゃんという神様に私は今ここに導かれ、そして今まで見送ってきた犬たちもまた、今ここの私に導いた神様なのだ。
そしてそして、わたしと、Ziaちゃんと巡り合ってくれた人たち、犬達をはじめ全てのものに応援してもらって私は
「今ここに在る」。
だからみんな私の神様なのだ。
私は生かされている。
ありがとう
ありがとう
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吉田 理恵子(ヨシダ リエコ)
よしだ りえこ
Rieko Yoshida
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