不思議な夢を見た。


見上げた空に巨大な航空母艦が飛んでいる。

さながら、航空ショーのようにヒラヒラと旋回し、

真上から私めがけて垂直に墜ちてくるが、ギリギリのところで切り返して上空へ舞い上がる。


そんなことを3度繰り返し、最後に私の目の前で胴体着陸した。

めちゃくちゃ怖い夢だ。


空母なんて見たことも興味もないが、大きい船の脅威は体験した事がある。




ある日友人のT君に連れられて、夜更けの港に行った。

どうしても見せたい船があるという。


「なんにも見えんよー。ほんまに船はおるん?」

お気楽な夜の散歩である。

暗闇の中、目を凝らして一歩一歩波止場に向かう私達。

その時、その船は突然、覆いかぶさるように巨大な全貌を現した。


「ギャ!!!」


って言ったと思う。

その場に座り込んでしまった。


「な?な?凄いだろ?僕も初めて見たとき腰ぬかしそうになったんよ。」

T君は大喜びだ。


しばらくしゃがんだまま動けなかった。

大きいことの脅威を初めて体験した私は、恐る恐る船に近づき、またもしゃがみこんでしまう。

見上げた船の先端が高すぎて怖いのだ。

恐怖で全身に鳥肌が立つ。


大きいって凄いことだと心底思い知った。

初めて黒船を見た日本人も、きっとこんなふうに肝をつぶしたことだろう。

そういえばここは、大きな外国のタンカーなども余裕で入れる良い港だと聞いたことがある。

船の名前を見てみると、アルファベットが所々ひっくりかえって変な文字だが、どうもロシア語のようだ。


ふと気がつくと、3人のセーラーマンが甲板掃除のモップの手を止めてこちらを見ていた。


ロシア語を何も知らないので、手を上げて「ハーイ」と言ってみた。

「ハーイ」向こうも手を上げ近づいてくる。

挨拶は世界共通だ。

身振り手振りでもいいから異国の話が聞きたくてたまらない私を

「危ない。もう帰ろ。」と、T君は引っ張って私を車に乗せた。


他の友達を驚かそうと、後日連れて行ったが、もう船はいなくて、それ以来、何度行っても巨大な船に出くわさなくなった。

最近では車両が侵入できないように、バリケードで封鎖までされている。




さて、空母の夢を見た私が、朝の新聞で知ったロシアの隕石落下事件に共時性を感じたとしたらこじつけと言われるだろうか。


最近はまるで夢を見なくなっていたんだけれど・・・。