コーヒー
眠気覚ましの苦いコーヒー
ちょっとだけ自慢のコーヒーメーカー
モダンな世の中には不似合いなレトロを
敷き詰めた狭くとも僕の城
思い出話は好きじゃないんだけど
君が聴きたいって言うなら 話すよ
取り残されたままの昨日に
等身大を忘れて来た
一人で住むには広すぎる部屋
せめて 寂しさくらい
抱いて寝たくて
あなたが隣りに居た頃には
この部屋も今より明るかった
僕のポケットに詰め込んだ夢や希望も
期待と一緒にしまって置いたのに
過去の話は好きじゃないんだけど
君がそこに居るなら話すよ 歌うよ
細かい砂に変わってくように
風化してく僕の記憶
するり 両手からこぼれ落ちてく
せめて抱いてたかった
寂しささえも
俺だって初めからわかってたつもりだよ
失くしたことも その意味さえも
朝目覚める度に思い出すんだよ
眠りに就けば 夢を見たなら
消えかけたはずのあなたの姿も
この上なく愛しかったあの日に映って
眠気覚ましの苦いコーヒー
あなたが好きだった場所に座り込んで
一人で住むには広すぎる部屋にも
慣れてく俺が恐くて
取り残されたままの昨日に
等身大を忘れて来た
いつかこのまま この場所に一人
せめて 寂しさくらい
抱いて寝かせて