おっさんは急性リンパ性白血病の治療中で、自己負担額の上限を超える時期がありましたので、高額療養費制度を利用していました。
高額療養費制度は、年齢や所得区分に応じて、所定の計算式により算出されます。
基本的な話は、以下の解説ページが分かりやすいので、ご参照ください。
今回、たろうちゃんさんが、高額療養費関して実際の支払い金額と、申請して返金された金額との間に大きな差があり、計算の根拠が不明なので、疑問に思ってるとのことですので、
おっさんも、調べた範囲でお答えします。
要点としては、
・たろうちゃんさんの自己負担額の上限(多数月)は44400円。
高額療養費として申請した金額
●a病院 44400円
●b病院 10000円(指定難病)
●c病院 5370円
主人の分
●d病院 950円
●e薬局 570円
実際に払い戻しの金額(支給決定金額)
3922円
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まず、70歳未満だと、自己負担額の上限(多数月)の44400円を超える部分(b病院、c病院、d病院、e薬局)が返金の候補になります。
ここで、b病院、c病院、d病院、e薬局の合計金額が返金対象になるわけではありません。
おっさんの場合は、病院+薬局だったので合算できたのですが、複数の病院の場合、単純に合計金額を合算できません。
・医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合(おっさんの場合)、薬局で支払った金額と、処方せんを交付した医療機関で支払った金額を合算して21,000円以上支払ったときは、合算の対象となります。
b病院、c病院、d病院、e薬局の各々が21000円を超えてこないと返金の対象になりません。
d病院、e薬局については、おっさんのケースと同様に合算できる可能性はあります。
いずれにしても、b病院、c病院、d病院+e薬局の各々は21000円を超えてこないので、返金の対象にはなりません。
しかし、実際には、3922円の返金があったので、おかしいとなります
。
ポイントは、b病院(10,000円:指定難病)の扱いです。
指定難病で上限10,000円を支払ったb病院についてですが、高額療養費の合算対象(21,000円以上か?)の判定は、「公費(難病助成)が適用される前の、本来の3割負担額」で計算されます。
高額療養費の計算はA病院とB病院の医療費の「比率(按分)」で決まるため、A病院の医療費が分からないとB病院の金額も確定できません。
しかし、その計算のからくりを紐解くと、3,922円という金額が何なのか、そしてB病院の医療費が全体の何%だったのかを正確に割り出すことができます。また、この計算を解くことで「まだ受け取っていない還付金」の存在が浮かび上がってきます。
1. 「3,922円」の正体は、B病院の最終的な自己負担額
協会けんぽは、複数の病院(21,000円以上のもの)を合算して高額療養費を計算する際、上限額(44,400円)を各病院の「本来の3割負担額」の割合に応じて割り振ります(これを按分といいます)。
・全体の負担上限: 44,400円
・A病院の負担分 + B病院の負担分 = 44,400円
ここで、窓口でA病院に「44,400円(上限額)」を支払っていたとします。協会けんぽから戻ってくるA病院分の還付金は、以下の計算式になります。
窓口で払った額(44,400円)- A病院の最終的な負担分 = 協会けんぽからの還付金
先ほどの「A+B=44,400円」という式に当てはめると、「44,400円からAの負担分を引いた残り」は、そのまま「B病院の負担分」になります。
つまり、支給決定された「3,922円」というのは、按分によって決定した「B病院の最終的な高額療養費上の自己負担額」そのものなのです。(A病院の最終負担額は 44,400 - 3,922 = 40,478円だったということになります)。
2. 【重要】B病院で払いすぎた「6,078円」を取り戻す方法
ここからが最も重要なポイントです。
上記の計算により、高額療養費制度におけるB病院の最終的な自己負担額は「3,922円」でよいと決定しました。
しかし、指定難病の受給者証を使って、B病院の窓口では上限である「10,000円」を支払っています。
・窓口で払った額:10,000円
・最終的な自己負担額:3,922円
・差額(払いすぎ):6,078円
この差額の6,078円は、協会けんぽからは振り込まれません。指定難病(公費)と高額療養費が絡む場合、この払いすぎた差額は指定難病の助成元(お住まいの都道府県や自治体)から返還してもらうというルールになっています。
【取るべきアクション】
協会けんぽから届いた「支給決定通知書(3,922円と書かれたハガキ等)」と、B病院の領収書を持って、指定難病の手続きをしている管轄の保健所(または役所の担当窓口)へ行き、「高額療養費との調整による公費の償還払い(払い戻し)の手続きをしたい」と伝えてください。これにより、残りの6,078円が自治体から払い戻されるはずです。
以上が支給決定された「3,922円」として考えられる可能性の一つです。これ以外のケースもあるのかもしれませんが、とりあえず、上記の方法で問い合わせてみたらいかがでしょうか。