世界一の億万長者であり、世界的大企業の会長でもあるビル・
ゲイツ。
そんな彼と対等に話す事が出来る日本人のおばちゃん清掃員
が居ます。その女性は、昭和の生まれで74 歳になります。
彼女は、中卒で掃除のおばちゃんをしています。けれど彼女
は、あのビル・ゲイツ(マイクロソフト会長)と対等に話せ、
招待される友人でもあります。彼女は、幼い頃ご両親を亡く
されました。ですから中学卒業した彼女は、すぐに働きに出
なければなりませんでした。関西で育った彼女は、地元の大
手百貨店に就職のための面接を受けに行きます。けれど面接
官の人は、彼女が孤児で有ることから、最初から冷たい。
自分を受け入れてもらえる事は無い、と確信した彼女は、「私
のような者に働き口を提供するのも、あなた方の仕事なので
は有りませんか?これで失礼します」と席を立ちました。自
分ではどうすることも出来ない事で、自分が評価され、見下
される。14 歳の彼女は、辛くて、悲しくて、涙がとまりま
せんでした。今から60 年も昔の出来事です。何年か後、彼
女は結婚をし、子供をもうけ、家計のためにと働きに出ます。
仕事は、清掃のおばちゃんでした。出勤は、早朝、時間は不
定期で、土日も出社。帰宅が極端に遅くなる日も有ります。
けれど彼女は一生懸命仕事をして。いつかマイクロソフト日
本支社ビルの清掃責任者となりました。30 名余りの部下を
使い、みずからも清掃を行います。ある日の事です。
男子トイレの清掃を終え、清掃用具を持ってそこから出よう
としたとき。背の高い外人と入口でぶつかりそうになりまし
た。その外人さんは「アイムソーリー」と言いました。おば
ちゃんは、思わず「ヒゲソーリー」と答えました。日本語の
分かるその外人さんは、笑いながら自分のあごの周りをなで
るふりをしながら「ひげそり?」と笑いました。おばちゃん
も笑いました。その外人さんが、ビル・ゲイツでした。
大の日本好きであるビル・ゲイツはマイクロ社の中で、いつも一人作務衣を着ているそうです。他の社員達は、重役も平
社員も、背広にネクタイです。
そして、どこに行くにも二名のボデイガードが付いています。
トイレに行くときは、ボデーガードは入口に立つそうです。
ですからその時、ビル・ゲイツは一人でトイレのドアを開け
て入ってきたのです。ほんの、一言二言の会話でした。トイ
レで鉢合わせし、ヒゲソーリーと冗談を言ったなどと言うのは、
誰でもすぐに忘れてしまうほんの些細なことです。ところが、
それから間もなくしてクリスマスイブの社内パーテーで、お
ばちゃんは突然、パーテーに参加するようにと内線電話で呼
ばれます。仕事中だし、他の掃除のおばちゃん達も居るから
と断ると。しばらくしてまた電話が掛かってきました。おば
ちゃんたち全員で参加してください、「ビル・ゲイツ社長か
らの直々の依頼」ですというのです。やむなくおばちゃんは、
当日出社していたおばちゃんたち全員を呼び、みんなでパー
テー会場に行きました。オシャレなんてしていません。普段
の作業着のままです。こわごわと会場に入って行くと、そこ
には大勢の社員がいます。重役もいます。そしてビル・ゲイ
ツもいます。普通の社員でも、ビル・ゲイツと会話なんてで
きません。そのビル・ゲイツが、おばちゃんを見つけると、
とても嬉しそうな顔をして、よく来てくださいました、とお
ばちゃんを抱きかかえんばかりに歓迎しました。そして会場
のみんなにも、このおばちゃんはすごい日本人で自分が好きな
人ですと紹介してくれました。一緒の所にいたおばちゃんた
ちにも、ビル・ゲイツが単なるおベンチヤラではなく、本気
でこのおばちゃんを、尊敬し、親しみを込めている事が分かっ
たそうです。
それほどまでにビル・ゲイツは、おばちゃんを歓迎しました。

 

 

 

 

-----平成30年07月18日(水) 最高気温 38.9℃