「ロータリー青少年奉仕の原点」

 

 国際ロータリー連合会創設当初から、ロータリアンは子供や青少年のニーズを満たす奉仕に魅力を感じていた。

 1913年12月に、ニューヨーク州シラキュース・ロータリークラブは障害児委員会を立ち上げた。この関心は、障害をもつある少女の窮状を知ったことから生まれたものだった。少女の家庭は貧しかったため、動けるようになるための手術とリハビリを受けさせてやることができなかった。シラキュース・ヘラルド紙がクラブのプロジェクトに賛同し、寄付を募り2週間で$272874が寄せられた。

 また、1915年オハイオ州トレドで、読み書きのできないアルヴァ・バンカーという16歳の重度の障害児に、クラブでミシガン州にある障害児の学校へ教育を受けさせるため、資金を捻出した。トレドのロータリアンは他の障害児の為に活動を継続する事を望み、トレド障害児協会を設立した。自動車王ヘンリー・フォードは、障害児救援に対し、巨額の寄付をするに至った。報道機関は、トレド・RCの活動が自動車王フォードの関心を引いたと報じた。

 この様に、障害児の救援から、次第に非行の撲滅などと拡大し、ロータリアンは青少年を正しい方向に導く、指導者として模範になるべきと活動の範囲は拡大していった。

 そうして青少年活動から、RYLA、インターアクト、ローターアクト、青少年交換プログラムと成長を続けたのである。

 ロータリーの根幹である、4大奉仕、クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕は2007年の規定審議会で標準ロータリークラブ定款第5条に「4大奉仕部門」の定義が掲載され、2010年の規定審議会で「青少年奉仕」が第5の奉仕部門として加わり、「5大奉仕部門」となったわけです。

 何故、ここまで青少年が遅れたかと言うと、多くのロータリアンは子供に係わる奉仕に強く惹かれており、第5の奉仕部門として青少年を加える事を繰り返し求めた。障害者奉仕を独立した奉仕部門として加えるべきという意見もあった、しかし、以後のRI理事会と規定審議会は、4大奉仕部門が機能しているのは、これが簡単で、憶えやすく反復しやすいからだという事を理解していた。もし、「青少年」が1つの奉仕部門となれば、すぐに「高齢者」も次の部門とすべきという意見も出てくるし、もし「障害者」が加われば。貧困や環境が求められるのも、時間の問題だと考えたからだであった。

 

 

 

 

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