ロータリー米山記念奨学生、趙 恩恵さん卓話
        
 熊谷東クラブの皆様改めましてこんにちは。今年から狭山中央クラブでお世話になっている趙恩恵と申します。東京国際大学から参りました。大学での私の専門は言語コミュニケーション学部で、英語と日本語を身につけることです。
韓国のソサン市から参りました。現在は川越市に住んでおります。今年、公益財団法人ロータリーの米山記念奨学生に選ばれた事をとても感謝し、同時に誇りに感じています。
 私は、韓国のソサン市で育ちました。ソサン市は、韓国の首都ソウルから車で2時間くらい離れていて、海がきれいな都市で、人口は約17万人です。ソサン市は日本の奈良県の天理市と姉妹都市で、私は、15歳の時、学生親善団として日本を2週間訪問しました。
 本日は、日本に来た理由と日本で感じたカルチャーショック、それと私の研究テーマと将来の希望についてお話したいと思います。私が、日本文化に興味を持つようになったのは8年前、日本と韓国の交流を橋渡しする交流団体に所属しました。日韓交流会の活動をはじめました。私の家族は、日本からの家族を受け入れるホストファミリーになりました。また、日本の埼玉県では私たちを受け入れる家族ができました。これらの二つの国の交流を通し日本の文化に触れることで、さらに、日本を知りたくなりました。
私は、日本について思ったのは、町並みにゴミ箱がないのにきれいな国、高いビルが多く、IT産業が活発な先進国、日本語の言葉がかわいい、アニメーション強国のイメージを持っていました。その中でも、一番私の目に入ったのは、お祭りでした。日本は、特に伝統的な文化を大切にしていると感じました。なぜかというと、日本の多くの人たちはお祭りなどの伝統文化を伝え続けているからです。日本の人たちは、毎年、お祭りが開催される時期のために1年を通して準備をし、練習に励んでいます。私は、これに感動し、日本国民のお祭りに対する情熱と関心はすごいと思います。人々の表情や情熱をみてお祭りの価値は無限であると確信しました。さらには、歴史や起源などを深く研究して日本のお祭りを母国に紹介し、伝えたいと思いました。このようなきっかけから、私は、日本にもっと魅力を感じて日本の大学に留学することを決心しました。私は、高校卒業してもっと自分の視野を広げるため、オーストラリアワーキングホリデーを通し1年間英語の勉強をし、2011年に日本語の勉強のために来日しました。そして、千葉にある双葉外語学校で1年間勉強して、卒業後は、さらに日本で勉強したいと考え、東京国際大学に入学しました。
 次は、私が、経験した日本文化のカルチャーショックと日本と韓国の文化の違いについてお話したいと思います。今の韓国人が考える日本と日本人に対する、イメージをお話ししたいと思います。皆様はどのようなイメージを持っていると思いますか?日本のゲームとアニメ、ドラマなどを見て楽しむ人たちがどんどん増えており、一度は、日本観光を計画して、旅行したことがある人々を多く見ています。私も子供の時から身の回りの物は日本製が多く、日本のあらゆる物に憧れていました。電化製品はもちろん化粧品まで日本の影響が大きかったので日本は、憧れの先進国のイメージを持っている人々が多いです。
 しかし、アジアで、日本と韓国は、すごく近い国ですが、異なることがとても多いと思います。日本に来て驚いたことはたくさんありますが、生活のなかで挙げますと、一番驚いたのは、日本の高いサービスの質です。例えば、コンビニで物を買う時、お箸をお付けしますか?お弁当暖めますか?などと聞いたり、また買い物の際は、買った物を店員さんが持って入り口までお見送りをしたりする親切さに気づきました。むかし、まだ日本語が出来なかった時、店員さんが私の物をずっと持っていて、そのまま、逃げ去ると思いました。日本は、どこに行っても、皆親切ですね。 日本の人たちがこのように優しく接してくれるとは思っていませんでした。皆疲れないですか?
 もう一つ、カルチャーショックを感じたことは、日本に来てカラスと野良猫が多くてびっくりしました。韓国では小さい鳥はたくさんいますがカラスはあまりいません。また、野良猫にえさをあげたことがありますか?きっと、あると思います。時には、えさをあげてはいけないと書いてあるにも関わらず野良猫にえさをあたえるのを見て、野良猫を愛する日本人の暖かい心を感じました。韓国では、日本人のように野良猫にえさをやることはありません。日本人の猫を愛する心にとても感動をしました。そのような大きい愛を受けているせいか、日本の猫は特に太っていると感じました。
 それから、日本の人は、風邪引いたときは、他の人に被害を与えないためにマスクをする人が多いですね。韓国では、あまりつけません。マスクをつけると重い病気か、整形したと思われます。日本人は皆、いつも相手を大事にします。日本と韓国は近い国なのに異なる部分も多いと感じました。
 また、日本の電車は時間を守ります。もし、1分遅れても、申し訳ございませんとアナウンスします。韓国では、5分から10分遅れるのは普通で、アナウンスも特にありません。本当に、日本は、時間を守ることを重視し、サービスの質が高いと思いました。
 私が、今までで日本に来てよかったと思うのは、ロータリー米山奨学生に選ばれたことです。日本では、留学生に対しての日本の国の援助は素晴らしいと思いました。自分が頑張れば奨学金などの支援を受けることができるというのは嬉しいです。努力すれば報われるのだという気持ちを持つことができたのは日本に来てからです。
 次に、私の研究テーマと将来の希望についてお話ししたいと思います。今の世界は急速に国際化しています。これをグロバール化と呼ぶように、世界は、一つの共同体のようになりつつあり、情報化が進んでいます。今、私達は、世界の人々と肩を並べて、競争する大競争時代の中で生き延びなければならなくなりました。彼らと競争するためには、コミュニケーション能力が求められます。そこで、英語は、彼らと通じ会うための大事な方法で、私達は、英語を学ぶ必要があると思います。しかし、英語が国際語となり、それぞれの国の教育機関に必修科目として追加された時から、日本や韓国の英語教育は、単純な読み取りと文法中心の教育方法が続いており、そこから抜け出せずにいます。この教育法は、10年以上で英語を勉強した学生の大半が外国人と対面した時に、一言もしゃべれないという結果を生み出しています。
このような現実を変えるために日本や韓国の英語学習によりよい成果を遂げることのできる実用的な言語学習法を研究することに私は興味があります。また、言語は年齢が低いほど学習効果が高いため、小学生を中心とした学習者の言語能力を向上させるための教育方法について研究しています。私自身が成長するためには他の人より一歩先に物事を判断、実行することや、積極的に徹底的な準備が必要だと思います。現在私に足りないものを補うためにはさらなる努力をしなければなりません。そして、大学生活4年間の努力は、今後、私がつかむチャンスのための準備段階と考え、何事にも全力を尽くして常に前向きに生活に取り組みたいと思います。
私は将来日本と韓国の架け橋になりたいです。現在、私がとても力を注いでいる事が二つあります。一つ目は、先程、お話した、言語学習法の研究です。この研究を通じて、現状を変えるために日本や韓国の英語学習によりよい成長を遂げることのできる実用的な言語学習法を研究しています。二つ目は、ロータリークラブでの日本文化の勉強です。これまで色々な知識を得て、多くのロ-タリアンの皆様や学友とコミュニケーションをとり、将来この財産を活かせる豊かな人生を送りたいと思います。
 最後に、本日、熊谷東クラブで、お話をする機会をいただいてとても嬉しいです。米山奨学生になり1年9ヶ月立ちました。 毎月のクラブの例会に参加させて頂くことによって、色々な業界で活躍しているロータリアンの皆様との交流を通して、日本の伝統的な文化や社会への理解を深めると同時に、自分の視野を広げることができました。そして、ロータリークラブでの日本文化の勉強は、私の財産になるはずです。最後に、今まで皆様からご支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもロータリアンの皆様とコミュニケーションをとり積極的に活動に参加し、今後に向けて研究を続けて行きたいと思っています。これからも、ご指導を宜しくお願い致します。ご清聴ありがとうございました。

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