「いぶき」は順調に上昇を続けるH2Aロケットから16分後に高度671kmで分離され、現在は予定の軌道を順調に周回しています。
今回打ち上げられたH2Aロケットには「いぶき」の他に、東大阪市の中小企業などが作った雷観測衛星「まいど1号」など公募で搭載された衛星6基を含む小型副衛星7基が「相乗り」しています。
公募によるH2Aロケットへの衛星の搭載はこれが初めて。搭載された7基の衛星は、順調に予定されている衛星軌道上に次々と投入されました。
さて、今回の観測技術衛星「いぶき」の投入で何が期待されているかというと、地球温暖化の予測がより正確にできるようになるということです。

現在、地球温暖化の予測は世界283ヵ所の地上観測によって行われています。しかし、途上国にはほとんど観測点がありませんでした。このため、途上国上の観測データ不足により正確な地球温暖化予測ができなかったのです。
陸上、洋上を問わず、約5万6,000ヵ所を観測することのできる観測衛星「いぶき」の今回の投入によって、今まで不足していた地域のデータが観測できることになり、温暖化の将来予測が正確になると期待されています。
9月にもデータの無償提供を始める予定で、開発費を負担した環境省は、温暖化対策における「日本の貢献」を訴える絶好の手段と位置づけられています。
ところで、「いぶき」を衛星軌道まで運んだH2Aロケットの打ち上げは、7号機(2005年2月)以降、9機連続の成功となりました。6号機の打ち上げ失敗でロケット打ち上げ事業の継続が危ぶまれた時期もあったのですが、その後、H2ロケットの改良が繰り返され現在に至っています。
打ち上げ業務が民間企業の三菱重工業に移管され今回で3機目。費用は14号機より24億円安く過去最低の約85億円に抑えられています。
2009年1月12日には、同社が初の海外衛星打ち上げを韓国政府系の韓国航空宇宙研究院から受注したと発表し、打ち上げビジネスの足がかりが広がっています。日本の今後の宇宙開発関連事業に期待したいところですね(o^-')b