マリオネット・ゲーム <特別編> [DVD]/ピアース・ブロスナン,ジェラルド・バトラー,マリア・ベロ
¥3,990
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アップ土曜日に観ました音譜


あの、《ピアース・ブロスナン》が悪役ってことに


違和感、はなかったんですけど


あー。


007あたりから模索してたんだなと思いました。


実際観たかったし


ヒーロー役ばっかじゃ飽きちゃうよね。


できる俳優さんほど悪役をやりたがる、と聞いたことあるし。



で。


途中から、あれ!?と思っていたら やっぱり・・・



もうね、最高の復讐方法ですね。


何も失ってない。


何も失ってないけど、


今までとはもう何もかもが違う。


地位も名誉も財産も家庭も、


失う苦痛と絶望感、喪失感


身をもって味わったけど、全部フェイク。


だけど、


大事な妻の心はもうそこにはない。


『あなたは何も失ってない。キャリアも娘もそのまま。

だけど今までとは違う。

私はもうあなたを愛してない』


ラストの妻のセリフ怖いですねー。


旦那の不倫相手の夫と狂言で娘を誘拐したと思わせる。


貯金を全額引き出せと言われてその通りにすれば


アタッシュケースの中に火をつけられて


川に投げ捨てられる。


お財布もカードも取り上げられたのに、高級レストランに


連れていかれて、飲食代を作ってこいと言われる。


知らない人にお金を借りようとするも、物乞い扱いされる。


仕方なしに質屋に駆け込み、プレゼントしたブレスレットを見せると


質屋のジョークで偽物と言われ、激昂する妻。


嘘嘘。本物だよ、と言われても犯人に言われた額には届かない。


旦那は名残惜しげに時計を外し、叩きつけこれで300ドルだー、と言い放つ。



↑この辺に旦那と言う人の性質が出てますよね。


娘の命を握った犯人が要求してくることに

忠実になろうと妻と話し合ったのに

大事なものを差し出すのにはちょっと躊躇する。


後から考えれば、妻が警察に連絡することを頑なに拒んだのも納得。


旦那は少しでも要求には従わず、犯人を出し抜いて


娘を助けようとするけどことごとく失敗。


最終的に、会う約束になっていた会社のボスを殺せと言われ


銃を手渡させる。


別荘の中には・・・



下着の上にローブをまとっただけの不倫相手。


週末、社長に誘われていたと言うのは全くのウソで


実は不倫相手との逢瀬だった。


別荘の壁を見渡す旦那。


よく観れば犯人の写真。


これで旦那のの中ですべての合点がいく。


娘と不倫相手、どっちが大切かという選択を迫られ


泣きながら引き金を引く旦那。


銃は空だった。


ぐったりしながら車の中で待つ妻に


「娘は家にいる。早く家に戻ろう」と告げる旦那。


何があったのかきちんと説明して!なんでジョディーがいたの?と詰問する妻。


ここでも旦那は嘘をつく。


旦那、「本当に聞きたいか?」と逆切れ。


聞きたいわよ、と応戦する妻。


ここで旦那は最後の嘘をつく。


「あいつ(犯人)はジョディー(不倫相手で秘書)の旦那だ」


あ、ほんとのこと言った。


「・・・」


「ジョディーは不倫してた。カール(社長)とだ。だがカールと俺を勘違いしてた。

だから俺を狙ったんだ」



娘の無事を確認して


そのことを階下にいる妻に告げると



妻があまり嬉しそうじゃない。


旦那が違和感を持ってると、妻によるすべてのネタばらし。


打ちひしがれる旦那。



「私をバカなオンナだと思ってたでしょ。

可愛いアビー(妻の名前)はもういないのよ」



セリフが全部正確かどうか不安ですが


概ねこんな感じ。


女が男に復讐をしたい時って


「こんなにつらかったんだから同じように苦しめ

同じ痛みを味わえ」

ってことだと思う。


それを見事に表現してて


実は、旦那の精神以外何一つ傷つけてない。


同僚にも若干嫌な奴だけど。


レストランで自分から「ミスターランドールだが」って名乗るのね。



この感覚、日本人には分からないね。


敬称だもん。


日本で言うとどんな感じ?


鈴木様だが、みたいな?


ナイナイ!


日本でありがちなのは、肩書きを名乗るとか


人にも呼ばせたがるとか


っていう偉いんだぞアピールかなぁ。


えてしてコモノがやりたがるというのが定説だけど

(これは銀座での定説かしら?)


自分からミスター付けで言うとこも旦那に同情できない感じだけど



映画の定石

「ダメなやつほど、捨て台詞を吐く」


「すべてが終わったらお前を殺してやる」



↑これ。


悔しさの結晶だろうけどさ。


それ言わないと映画としてどうかって話だけど。


すべてが終わったらお前を殺してやるってさ


すべてが終わった時、生き残る気でいるのねって思っちゃうのよねー。


犯人からしたらこれほど間抜けなセリフもない。



というわけでなんだかスカッとしてしまう映画でした。


物理的には何も失ってない。


なんでも持ってる。


地位も名誉も財産も。


愛する妻と子も。


でもそこに、妻の愛情がない。


身から出た錆とは言え、


抜け殻になってしまうだろうことが容易に想像できます。


男性はこれを観たら浮気が怖くなるかな?


ペタしてね