イタリアに在住している日本人は多彩な人が多い。イタリア語だけではなく英語も堪能で、音楽、美術、デザイン、建築、歴史、料理など様々な分野に興味を持っており大変良い刺激をもらっている。

今回のイタリア在住は私にとっては人生の通過点であり、小さい娘が家族との時間を過ごしてほしい、またイタリア文化に触れてほしいという親の希望と年老いた義理両親との時間を過ごしたい、という理由で短期の移住を決めた。

イタリア在住の日本人が口を揃えて言うのが「この街に一目惚れして住みたいと思った!」「この街に住んでいて幸せ」と仕事や家族が理由では無く街に惚れ込み移住を決めたという人が多い。美しいイタリアの町がそうさせるのかもしれないが。

20代前半はニューヨークに惚れ何度か訪れるたび、いつか英語圏に住んでみたい、と思う様になり一度旅行に行ったオーストラリアのシドニーに留学を決めた。

その後はメルボルン、東京、イタリアと移り、シドニーで10年以上過ごしまたイタリアに戻った。まるで定住を決めないジプシー家族だ。

シドニーでは住宅も購入し、車や家財道具も倉庫に残したまま引っ越した。大好きな友人知人も沢山おり、仕事とライフスタイルのバランスが非常に良く大好きな街の一つだ。

ただシドニー以外に惚れ込める街がある様な気がするのだ。心から終の住処に決めれる様な街には出会えないかもしれない。というより惚れ込める街に出会えないまま人生を終わる人の方が圧倒的なのかもしれない。ただ出会ってみたい、その街を見てみたい、と思う。

何年後かはやはりシドニーに戻っているのかもしれないし、案外仕事等で東京とか他の都市にいるかもしれない。イタリアに残っているかもしれない。娘が就学する前には定住を決める予定だし、ジプシー生活は出費がかさむのだ、泣。

ただもう少し惚れ込める街探しの旅を続けたいな、と思う。次の街はきっと終の住処になるであろうその街、会えるのを楽しみにしています。