りんごの花咲く五月に生まれたぼくは少し大きくなって
ママとお兄ちゃん達と沢山あそんだよ!
夏にはお友達も出来て、ひとりであそびに行けるようになった
広い広いこのりんご園が大好きだった
自由にかけ回って飛んだりはねたり…
毎日のバードウオッチングが一番楽しかったな
近くの森で木登りだってしたよ
途中でじょうずに降りて来れなくて
なかよしのリス君にばかにされたけど
夜には、ふくろうやコウモリ君達との夜会も楽しかったな
ぼくはね、これでも畑でちゃんとお手伝いもしてたんだ
ぼくの得意技、教えてあげる!
草むらでじっと息を潜めて狙いをすませて…
それから思いっきりダッシュ!
ネズミやモグラを仕留めるんだ
ぼくのなかの野生のハンターの血がさわぐんだ
秋になって、また少し大きくなったぼくは
ずっと一緒だったママとお兄ちゃん達とはぐれてしまったんだ
甘えん坊のぼくは、ひとりぼっちになって急に寂しくなった
畑で働くおばさん達に時々おやつをもらったけど
収穫の季節が近づくと、ますます寂しくしくなった…
ある日遊び疲れたぼくは木陰でぐっすり眠っていた…
目を覚ましたら、赤や黄色に染まったリンゴの妖精さんが
ぼくにささやいたんだ
『冬を迎える前に暖かい場所に連れて行ってあげるわよ
君を待っている人がいるの
もうすぐ新しいお母さんに会えるわよ
さあ、行きなさい!
そしてちゃんと伝えるのよ
ぼくがお母さんを元気にするよ、と
さあ、行きなさい!』
君の新しいお母さんと私は
まだ何も知らなかったけど…
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訪問ありがとうございます
飼い猫とならずに、畑にいたままの方が
もしかしたら彼にとっては幸せだったのかなと
思うこともありましたが
でもそこは連れてきたことに全く
後悔はしませんでした
彼は、私たちばかな人間でも
とても好きだった…と思います
そのくらい優しい子でした


