NY原油:急落 1カ月ぶりの安値
【ワシントン斉藤信宏】ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は28日、米国内の原油在庫が市場予想ほど減少しなかったことなどを受けて急落し、指標である米国産標準油種(WTI)の1月渡しは、前日終値比3.80ドル安の1バレル=90.62ドルと約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。3日連続の下落で、計7.56ドルの下げ幅となった。
米エネルギー情報局が発表した週間在庫統計で、原油在庫の減少幅が市場予想より小さかったことに加えて、為替市場でのドル安の流れに歯止めがかかったことから、このところの原油高をけん引していた投機資金が先物市場から流出した。
不良債権処理:米銀20年ぶりの高水準
【ワシントン斉藤信宏】米連邦預金保険公社(FDIC)は28日、07年第3四半期の米国内銀行の不良債権処理額が、前年同期の2.2倍の166億ドルとなり、87年第2四半期以来20年ぶりの高水準に膨らんだ、と発表した。サブプライムローンの焦げ付き問題が影響したと見られる。その結果、純利益は同比24.7%減の287億ドルと02年第4四半期以来の低水準だった。
調査対象は預金保険に加入している全米8560行。既に07年第4四半期で追加の不良債権処理を予定している銀行が多く、FDICでは今後も不良債権処理額は増加傾向が続くと見ている。
鉱工業生産指数:2カ月ぶりに上昇 基調判断は据え置く
経済産業省が29日発表した10月の鉱工業生産指数(00年=100、季節調整済み速報値)は、半導体製造装置や乗用車の生産が好調で、前月比1.6%上昇の112.1になり、1953年の調査開始以来、過去最高の数値を記録した。2カ月ぶりの上昇だが、11月は低下を予測していることなどから、基調判断は「生産は緩やかながら上昇傾向」に据え置いた。
半導体製造装置の国内需要が好調で3カ月ぶりに上昇したことなどで、一般機械工業が前月比7.0%上昇したほか、普通乗用車の中東や北米などへの輸出が好調だったことも生産を押し上げた。輸出や生産への影響が懸念されている米サブプライムローン問題については、「特に影響しているとの報告は受けていない」(幹部)という。【瀬尾忠義】
FRB:「成長ペースは減速」 市場に追加利下げの見方も
【ワシントン斉藤信宏】米連邦準備制度理事会(FRB)は28日、全米12地区の景気情勢を示す地区連銀報告を公表し、10月上旬から11月中旬にかけての米国経済について「拡大基調を維持しているが、成長ペースは前回報告より減速した」との判断を示した。全米12地区連銀のうち7地区が景気減速を指摘した。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の直撃を受けて住宅市場の低迷が続き、個人消費も停滞しているとの見解を示している。
報告はFRBが12月11日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)の基礎資料となる。前回10月よりも米景気の減速感が一段と強まっていることを示唆する内容で、FOMCが追加利下げに踏み切るとの見方が市場で広がっている。
住宅市場の冷え込みが各地で続いており、ほとんどの地区で住宅在庫が増加した。住宅建設業界は建設計画の実行を延期し、多くの地域で人員削減が行われている。住宅市況の回復を予想する報告はほとんどなかった。
個人消費も停滞し、年末商戦の見通しについても「やや悲観的」との報告があった。サブプライムローン問題の影響で、複数の地区で商業や製造業への金融機関からの融資が低迷した。
FRBは、利下げを決めた前回のFOMC(10月31日)後の声明で「インフレ加速と景気減速の懸念は、これでほぼ均衡した」と宣言し、12月以降の追加利下げを視野に入れていないことを示唆していた。
しかし、今回の地区連銀報告で景気減速懸念が強まり、28日の講演でFRBのコーン副議長が、過去の金融緩和の効果が薄れているとの認識を示したことなどから、追加利下げ期待が急速に強まって、株価が急上昇した。
日経平均 15513.74(+359.96)△2.38%
TOPIX 1514.47(+ 38.83)△2.63%
売買高概算 19億4639万株
売買代金概算 2兆5871億円
値上り銘柄数 1449 年初来新高値 9
値下り銘柄数 203 年初来新安値 12
変わらず 66
騰落レシオ(25日)84.8%
サイコロ(日経平均)6勝6敗 50.0%
カイリ率(日経平均)25日線比-1.47 75日線比-4.46%
為替 (対ドル)109.98 (対ユーロ)163.05
JASDAQ平均 1751.92 +12.83/出来高 2353万株/売買代金 479億円
J-Stock Index 1662.40 +21.94
29日のJASDAQ市場ではJASDAQ平均が2日続伸となったほか、主力株で構成されるJ-
Stock Indexについては5日続伸となった。日経平均は大幅高となったものの、新興
市場では前日の上昇による反動もあって、各指数の上値は限定的となっている。ヤ
フー<4689.Q>や楽天<4755.Q>、JCOM<4817.Q>などの時価総額上位は続伸となっ
たが、上値の重い値動きとなった。一方、インテリ<4757.Q>やファンコミ
<2461.Q>、オプト<2389.Q>などに売りが先行している。
<マザーズ>
29日のマザーズ市場では値上がり銘柄が目立ち、指数は5日続伸となった。日経平
均は大幅高となったものの、新興市場では前日の上昇による反動もあって、各指数
の上値は限定的となっている。時価総額上位ではDeNA<2432.T>やミクシィ
<2121.T>、ACCESS<4813.T>が続伸となったが、上値の重い値動きとなった。
なお、DeNAについては、1ヶ月ぶりに株式分割考慮後の最高値を更新している。
一方、OTS<4564.T>やフルスピード<2159.T>などに売りが先行した。
<ヘラクレス>
ヘラクレス市場でも値上がり銘柄が優勢、指数は4日続伸となった。ダヴィンチ
<4314.OJ>や大証<8697.OJ>など、時価総額上位の一角に買いが先行している。ま
た、20日に上場したシナジーM<3859.OJ>はストップ高となって連日の最高値更新と
なった。一方、アパマン<8889.OJ>やエンJPN<4849.OJ>、USEN<4842.OJ>など
に売りが先行している。
・10月の鉱工業生産、速報値は2カ月ぶり上昇 過去最高を更新
・都税制調査会、環境税に関する中間報告 4案を例示
・東京地検特捜部、防衛省に立ち入り捜査 資料を押収
・省エネ対策の国民運動を強化 政府、基本方針を決定
・先週の部門別動向、外国人は3週連続の売り越し
・システムプロ、カテナの第三者割当増資引き受け
・アラブ首長国連邦、12月2日に通貨切り上げか 地元誌
・米銀の不良債権処理、20年ぶり高水準 米当局が公表
・米地区連銀報告、成長鈍化が鮮明に 景気判断を下方修正
・米ダウジョーンズ、地方紙部門の売却検討を開始
・米フォード、SUVの横転事故を巡る集団訴訟で和解
需給悪通過が勝る展開へ
29日の日経平均株価は大幅反発。米国株市場の大幅上昇、為替市場の円高一服な
どが支援材料となったほか、鉱工業生産の堅調見通しなども買い安心感につなが
り、朝方からコア30銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが入った。買い一巡後は、バー
ナンキ米FRB議長の講演や米住宅関連指標の発表などを控えて膠着推移となった
が、終値ベースで日経平均株価は13営業日ぶりに15500円を回復。TOPIXも1500
Pの大台を回復するなど、それぞれ心理的な節目をクリアした。
米国の利下げ観測や、資源国を中心とした政府系ファンドによる資金流入期待が
相場を押し上げた。総悲観的なムードからは脱却したが、日経平均株価は目先の節
目である11月15日の戻り高値(15587円)、9月11日安値(15610円)を上回ることは
できなかった。個別ではコア30を中心としたショートカバーが目立ったが、グロー
ベックス市場がやや軟調推移となったことで朝高後は一服。新興3指数も朝高後は次
第に上げ幅を縮小させている。一方、後場からは前場段階で出遅れていた中小型の
割安株、あるいは直近でニューショートを溜め込んだ海運、商社などが下値を切り
上げる推移をみせたが、依然として資金の逃げ足の速さがうかがえ、物色の柱と呼
べるものはない。市場全体の売買代金も依然低水準であり、買い意欲には乏しい状
況にある。
しかしながら、買い一巡後も終始堅調推移となり、15500円を維持できた点は明ら
かにこれまでの下値模索の局面とは違うステージに移行したとも評価でき、足元は
「閑散に売りなし」の状況にあるとみてよさそうだ。9月以降の価格帯レシオでは、
15200円レベルでのボリュームが突出している。直近では上値抵抗線として機能した
水準だが、下値を叩きづらいムードとなったことで、今後は下値支持線として機能
することが期待される。一方、上値は11月8日に出現した下窓(16081円-15891円)
レベルまではポジションの滞留が観測されず、足元は真空地帯に位置している。
サブプライム問題による景況感悪化の懸念は払拭されておらず、警戒感は依然と
して残ろう。しかし、当面の悪材料をほぼ織り込み、依然としてファンダメンタル
ズ、テクニカルの両面で割安感が指摘できる水準にもあり、しばらくは需給悪通過
を背景に戻りを試す展開が見込まれる。
東証:全面高 午前終値1万5514円80銭
29日の東京株式市場は、前日の米国の株高や外国為替市場で円安が進んだことをなどを好感して、ほぼ全面高の展開となった。日経平均株価は2営業日ぶりに大幅反発し、一時、前日終値比401円26銭高の1万5555円04銭まで値上がりし、取引時間中としては9営業日ぶりに1万5500円台にのせた。午前の終値は同361円02銭高の1万5514円80銭。TOPIX(東証株価指数)も反発し、午前の終値は同39.51ポイント高の1515.15。
米国の追加利下げ観測の高まりで、前日のダウ工業株30種平均が今年2番目の上げ幅を記録したことから、銀行や証券など金融株を中心に買い注文が相次いだ。円相場が一時1ドル=110円台と、6営業日ぶりに110円台にのせ、円安方向に傾いたことや原油価格が下落したことが好感され、自動車などの輸出関連株も買われた。東証1部では約9割の銘柄が値上がりしている。【松尾良】
