12月26日(ブルームバーグ):米シティグループでは、最高経営責任者の辞任にまで発展した日興コーディアルグループの不正会計処理問題を受け、日本での投資銀行業務に支障をきたし始めていることが明らかになった。機関投資家や事業会社などが、シティグループと日興コーデが合弁で法人向け業を手がける日興シティグループ証券との取引を見直している。
ブルームバーグ・ニュースの調べによると、複数の機関投資家が日興コーデの法令違反を受け、新規株式公開(IPO)のほか株式や債券の売出など引き受け業務の発注の自粛を含めた検討に入っている。このほか株式など総額11兆円を運用する三井住友アセットマネジメントが株式などの委託注文を停止するなど具体的な影響が出始めている。
日興コーデの有村純一前社長は、辞任前の25日の記者会見で、シティグループの国内での引き受け業務などが、今回の問題で悪影響を受け始めていることを明らかにしたうえで「シティはビジネスへの影響を気にしている。直接、ニューヨークに電話をして状況を説明したい」と述べた。
シティは1999年以来、合弁会社である日興シティグループ証券を通じて株式や債券の委託売買のほか、株式の売り出しや新規株式公開(IPO)などの引受け、M&A(買収・合併)アドバイザリー業務などを手がけている。
同社では2004年10月にチャールズ・プリンス社長が来日、資金洗浄(マネーロンダリング)に関与していたプライベート・バンキング部門の閉鎖で陳謝したばかり。その前年には日興シティ証が違法なトレーディングで20日間の業務停止処分を受けており、シティにとって今回の日興コーデの不祥事は信頼回復に向けた努力を無駄にしかねない出来事となった。
「シティグループがとばっちりを受けてしまったのは大変気の毒だ」――T&Dアセットマネジメントの天野尚一ファンドマネジャーはこうみている。「今回の問題は株式の売買だけでなく、投資銀行業務など、あらゆる業務に影響を及ぼす可能性がある」と懸念している。
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日興コーディアルグループが05年3月期の有価証券報告書に虚偽記載をした問題で、金融庁は26日、当時の監査を担当した旧中央青山監査法人(現みすず監査法人)に対し、調査を行う方針を決めた。日興が年明けに訂正報告書を提出するのを待ち、公認会計士法に基づく報告命令なども視野に、なぜ虚偽記載を見抜けなかったのか詳しく経緯を調べる構えだ。
日興グループは25日の会見で、不正な会計処理に組織的に関与したことを認め、問題となった特定目的会社(SPC)を非連結とした不正な会計処理について「日興と旧中央青山の両者が判断した」と説明した。旧中央青山は「当時としては正しかったと今も認識している。連結か非連結かは解釈の問題だった」として、監査業務に不適切な点はなかったと強調している。
旧中央青山は、所属する公認会計士がカネボウの粉飾決算事件に関与したことで、金融庁から今年5月に2カ月間の業務停止処分を受けた。処分後、提携先だった米大手会計事務所が新設した「あらた監査法人」に多数の公認会計士が移籍。日興グループを担当し当時の経緯を知る公認会計士も、実質的にあらたに移籍し、日興も現在は監査法人をあらたに移している。
金融庁はあらた監査法人に移籍した当時の担当会計士らにも順次事情を聴く方針だ。【川口雅浩、坂
更新日時 : 2006/12/26 17:04 JST