いつだったか・・・

 

「ブラタモリ」で城壁の石積みの方法が

 

時代によって変わっていくという話を聞いたことがあります。

 

閑話休題

 

昨年直木賞に輝いた時代小説家の「今村翔吾」さん

 

受賞作「塞王の盾」

 

 

塞王の楯

 

 

トルストイが「戦争と平和」に託した祈りにも通じる思いが

 

この作品全般に散りばめられた秀作です

 

舞台は誰にも落とされない城壁の石垣(楯)を追求した

 

穴太衆の主人公

 

 

それに対抗する国友の鉄砲職人(矛)の話

 

「塞王」とは穴太衆が信仰している石積みの神です

 

そして賽の河原の神でもあります

 

親よりも早く死んだ子供は 

 

賽の河原で石を積み完成すると成仏すると言われていますが

 

完成間際に鬼がその塔を壊してしまいます

 

壊されては また石を積み続ける・・・

 

その先に救いがあると信じられていました。

 

前段が長くなりました

 

地元の公民館の声かけで

 

先日 天台宗比叡山延暦寺の門前町の大津坂本に行ってきました

 

ここは石積みの技術者集団である穴太衆の街でもあります

 

 

 

僧坊の竹林院でバスを降り 見学

 

 

竹燈籠がお出迎え

 

彫の技術の素晴らしさに感動しました

 

 

紅葉の頃とあって庭は紅く染まって

 

 

 

 

 

 

竹林院を後にし 日吉大社や西教寺の点在する坂本の街を散策

 

日吉大社は 

 

天台宗の最澄が「京の鬼門」の守護神として祀ったことでも有名です

 

全国の日吉・日枝・山王神社の総本社です

 

また明治政府の神仏分離令による「廃仏毀釈」が

 

ここから始まり全国に広がったことでも有名です

 

春には湖国三大祭りのひとつ「山王祭」が催されます

 

 

坂本は坂の街

 

街のあちこちに

 

穴太衆が得意とした

 

「穴太積」と言われる「野面積」の石垣が連なります

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
カメラマンも石垣と紅葉の対比をスポットにしているのかな・・・
 
 
錦秋の石積みの街を歩きながら
 
「戦争のない世界」をつくるのは何なのか
 
本当の「強さ」とは何なのか・・・
 
諍いや戦争が蔓延る現在
 
古より ここに住み 
 
「塞王の盾」として 未来永劫石を積み続けた人々の思いに
 
深く感じいったひとときでした