朝ドラの『ちむどんどん』

 

おとうさんが急死し、一家はより貧しく

 

運動会に体操服や靴を買ってもらえなかったお話

 

「かわいそう・・・」だが

 

私には、この一家には貧しいながらも愛があり、羨ましく思ってしまうのだ

 

母を早くに亡くした私は、

 

身の回りのことに       父が気づく訳もなく

 

服など 買ってもらうこともなかった

 

それが    『 ふつう 』    だった

 

しかし 1度だけ 父と買い物に行ったことはある

 

小学5年生の春に 日帰りの修学旅行で奈良に行く前夜に

 

突然 仕事から早帰りした父に急かされて 

 

当時できたばかりの

 

ショッピングセンターの閉店前のワゴンの前で

 

「好きなの選べ」と言われたのだ

 

当時は 吊りスカートが流行っていた

 

1枚買ってもらった

 

目の覚めるような「若草色」だった

 

痩せっぽっちで背も低かった私は

 

吊り紐は長すぎ 腰回りもごそごそだった

 

翌朝 吊り紐は胸の前でたぐって縫われていた

 

父が夜なべで縫い付けたのだ

 

寸法も測らず 手縫いで縫い付けた吊りスカートの腰部分は

 

胸の下まで上がっていた

 

若草山の麓で 胸下まで上がった 若草色の吊りスカートを着て

 

友と並んで はにかんで笑う「私」の写真が残っている・・・

 

 

生前の父は 口べたで 世の中を渡るには不器用で   とても厳しく難しい人だった

 

子供心に恐さが先立ち

 

親しみを感じることは少なかった父

 

今思い返すと 彼なりの愛情表現はあったのだと思う

 

父の最期をみとり

 

還暦も とおに過ぎたというのに

 

父の思いを受け止めかねている自分がいる

 

私は    親不孝ものなのか  親孝行ものなのか 

 

それすら    判じかねている

 

父が娘のために一生懸命縫った

 

若草色の吊りスカートの不格好な縫い目

 

その一抹の温かさを抱きしめることで

 

私は父の愛をたぐりよせている

 

クローバー  クローバー  クローバー  クローバー  クローバー  クローバー  

 

今日のお花

 

十二単・・・別名 アジュガ

 

 

30年以上前に 京都の実家から連れてきたもの

 

花言葉は「心休まる家庭」

 

親株がランナーを伸ばして 子株をつけ

 

親子一緒に花を咲かせていく姿を「人間の団欒」にたとえたという

 

誰もが 親からつながった「ランナー」で花をつけるのだと

 

この花は教えてくれる