■ジャンケットバンク サイド・ベット・ストーリーズ
■原作:田中一行/小説:菱川さかく
銀行の地下で行われる命を賭した闇ギャンブルーーその賭場に突如現れた真経津晨という青年。
彼は無邪気に笑い、子供のようにギャンブルを楽しみ、そして畏怖すべき存在として相手の前に立つ。
そんな真経津と彼と出会い友人となったものたちの日常、そして昇格戦秘話が綴られる。
・真経津と御手洗と骨董品目利き:『真贋』
・村雨と患者と診断の精度:『誤診』
・天堂と少年と贖罪:『少年と神父』
・獅子神とハーフライフ昇格戦:『ノック・アウト』
ヤングジャンプで連載中のジャンケットバンクのサイドストーリーが刊行!
ほんとにアニメ化以外の全てをやる、と言われてるだけあります。
原作の田中先生がガッツリと監修してくれてる、かつ挿絵もたっぷりとあって、本当に欲しいもの全部詰めの見事なサイドストーリー本。
読者の見たいものを見せてくれる、というか、期待以上のものをお出しされ、ファンの1人としてめっちゃテンション上がりました。
ノベライズ担当の菱川先生の文体の軽やかさとホラーの演出の落差がすごいです。
真経津や村雨先生、天堂の、『底知れなさ加減や常人枠で捉えられないこともないと思わせておいて、よく考えたらかなりおかしいラインにある言動』の再現性の高さが好印象!
表現方法がほぼ怪異!
田中先生の書き下ろしの挿絵の威力とも相まって、「面白い!でも怖い!」になるのもいい読感。
本編(漫画)の彼らがオーバーラップしつつ、「あれ、あの時の言動本気だったのか」みたいな答え合わせがあったりもします。
そして、面白いのが、バケモノギャンブラー3人が「日常」を描かれているのに対し、成長途上の獅子神さんはひとり、銀行賭博の昇格戦に挑んでいるという構成。
しかも、漫画では一言で済ませている、でもファンは知りたかった「ハーフライフ昇格戦」で魅せてくれるのですよ。
由緒正しいスピンオフという手触りで、ギャンブルの内容も小説ゆえに楽しめる演出があったりして。
まるで主人公の成長を応援してる気分になります。
獅子神さんだけ、なんだか『人間』だなとしみじみ感じたりもしました。
最後に獅子神さんの話が来るの、読後感まで書き手側に読まれてる気もしてきます。
いろんな角度から味わい深い逸品でした!
