映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』の初舞台化!
観劇が趣味ではありますが、いわゆる2.5次元は初。
期待と好奇心でドキドキしつつ、ゲ謎仲間の友人と行ってまいりました。
以下、幾分かのネタバレを含めつつの感想あれこれ↓
■舞台装置と演出
映画は何度も観てるけれど、制限のある舞台であのシーンはどう演出するのか。
物語が始まる前から舞台セットは目の前にあり、それが音楽と相まっていい空気感だったのですよ。
お地蔵様を上手と下手に置き、そこはかとなく不気味な雰囲気を作り出していて掴みからたまりません。
さらに、場面転換に制限がつくなかで、障子風のスクリーンとプロジェクションマッピングがいい仕事してます。
とくに哭倉村トンネルまでの道程と禁域!
奥行きとか不穏さとか、色調含めて好みでした。
金魚と夜行列車、血桜、映画でも印象的なシーンはより一層凝った演出で魅せてもくれます。
現実世界に顕現せしめたと思える美術で、没入感と臨場感の効果も高く、たまりません。
列車内での亡霊演出は、その後の水木の記憶にも関わってきますし。
血桜はクライマックスとして最強の視覚演出ですし!
圧巻!!
そして、個人的に推したいのが牢屋のシーン!
もうとにかくすばらしい再現性!
格子越しの彼らのやりとりをここまで豊かに表現してもらえたことに伏して感謝です。
舞台の高低差も活かした数々にグッときちゃいます。
■役者陣のすごさ
主役の2人、ゲゲ郎と水木をはじめ、役者陣の動きや演技もまさに「本人」なのです。
作り込まれていて、ほぼそのまま。
とくに水木のかっこよさときたら!
喫煙シーンも様になり、ラスト近くのアクションシーンではハッとさせられ。
人間臭く、そして弱さも強さも見せてくれるし、立ち振る舞いの全てで語ってみせる。
さらに、衣装替えも難しい「戦場」のトラウマをどう描くのかと思ったら、なるほどそうきたかと。
銃を構えて戦場で苦しみながら立ち回る水木はひとりスーツ姿。
大勢が兵装で入り乱れる中、ひとりスーツ姿で違和感と存在感が際立つ演出にトキメキです。
今もなお過去に囚われてるかに見えるのも大変良き。
たばこも!
ハラハラします、火を使うのすごいですね。
火も水も食べ物も舞台の上で使用する心意気に惚れてしまいます。
何度かあるアクションシーンに関してはゲゲ郎の役者さんがすごいとの事前情報あり。
その期待を裏切らない、見事な身のこなしで、目まぐるしい動きを追いかけるのもやっと!
人外的な強さが垣間見れる貴重なシーン。
なお友人曰く、途中までは下駄で走ったり戦ったりしてたとのこと。
かなり体幹がしっかりしてないとできない芸当と解説されて、より味わい深いです。
さらにしなやかな身のこなしに悠然さ、ひとならざる存在感が醸し出される様も素晴らしく。
まとう雰囲気が、他の人々とは一線を画すあたりも最高です。
沙代さんがまたとても可憐で儚げで、ひとつひとつの仕草が視線を奪う。
彼女のたおやかさがいっそう切ない。
そして、いっそう彼女へ降りかかる理不尽さがえげつない。
舞台ならではのリアルさで、水木の心の揺さぶられ方と慟哭、その後の選択がまた際立つという絶妙な位置にいてくれてます。
トキちゃんと時貞翁に関しては、あのアンバランスさ、非現実性をどうするのかと思ってたら……という驚き。
これはキャスティングと演出の妙とでも言いましょうか。
乙女様は乙女様ご本人様ですし、長田と裏鬼道の面々は立ち振る舞いから一連のアクションまで見応えありです。
ひとりひとりについて語りたくなるくらい本当に作り込まれていて、アンサンブルまで含めて完成度が高いのがすごい。
■補完されるエピソード
映画では具体的には語られていなかった内容が、舞台では形を変えながら補完されていたのもうれしかったです。
村での聞き込み、映画の間を補完しつつ時間経過を表す演出に嬉しくなりました。
アイスキャンディのくだりも入れつつ、彼らがそれぞれの方法で情報を集めていくのを長尺で見せてもらえたわけで満足度高し!
河童とゲゲ郎の入浴シーンもやや長めに取られていて、情報の伏線回収がさりげなくされていて良きでした。
あの温泉シーン、ゲゲ郎、脱いでますね、しっかり。
着物を着て、さらに組紐をつけるところまで再現できてるのに唸りました。
水木がねずみくんに直接、『人ではないことを確認』するシーンも印象的。
ここのふたりのやり取りには『これは毎回アドリブなのかな』と思うシーンでもあって、あまりのコミカルさに笑いが起きてました。
いや笑っていい、笑っちゃう、あれは。
この辺もやっぱり舞台ならでは、客席の反応がダイレクトに上がってくるのも醍醐味かなと思います。
プラス要素としては、孝三さんも追加要素あり。
克典が車を運転してないのでどうなるのかなという中で、孝三さんのラストシーンがとても印象深いものになってて、切ないやら痛々しいやら。
でもこれはこれで幸せなのかな、と思えたりもする絶妙さでした。
でも一番「おっ」ってなったのは、水木が鬼太郎の母と狂骨から逃げ、地上を目指すシーン。
あの霊毛ちゃんちゃんこはいかにして水木から母へ渡ったのか。
ここをまさか見せてもらえるとは。
そしてラストのラスト。
墓場から生まれた鬼太郎を取り上げた水木(記憶なし)とゲゲ郎のシーン。
映画では一瞬のカット。
舞台では本当に本当に切なくも嬉しく、そして苦しく愛おしいシーンとなっていて。
映画では描かれてない、でも少しずつ他の媒体で保管されていたものがさらに舞台で繋がっていく、それを最後まで堪能させてもらいました。
■カーテンコールとともに
拍手喝采。そしてカーテンコール。
白髪水木とゲゲ郎が並ぶ姿に涙が出そう、というか半泣きです。
本来はありえない光景を見れてしまった。
あと、長田の錫杖捌きがめっちゃかっこよ!!
登場人物紹介や情報のおさらいも、初見に優しい仕様になってて、「舞台から入っても楽しめる」形なのが大変良きでした。
元々映画もあの一作で完結してるわけで、そういう意味でも構成として無理がかからないのかなと思った次第。
要所の押さえ方と補完に追加エピもあって、舞台ならではの味を噛み締めてます。
同行した友人も言ってたんですが、全ての補完を終えて改めて観た時、ゲゲゲの謎はさらに胸に迫るものになるだろう、と思えました。
舞台は生もの。
その日その瞬間にしか味わえないものを堪能させていただきました。
■おまけ:グッズ
通常版パンフレットと谷田部透湖さんのポスカ&クリアファイルセットをお迎えしました。
水木役村井良太さんの先行チケットなので、特典に水木のブロマイドがつくのも嬉しい!
本当に良い時間を過ごせましたし、観劇後に友人とお蕎麦を食べながら(劇中でゲゲ郎が食べてるからつい)感想を言い合えたのも楽しかったです。
生で感激できて本当に良かった!
