■建築トリック謎解きガイド〜難事件は不思議建築とともに
■著:安井俊夫
我らがエクスナレッジさんから発行の魅惑の建築本。
建築法とミステリのトリックが交差する、ミステリ好きかつ建築好きにはたまらない一冊です。
趣味の洋館探索の折に、「ここを舞台にどんな事件を起こそう」と考える私にとっては最高の一冊でもあります。
密室はロマン。
でも、建築設計から見ると、その部屋は密室は穴だらけで密室たり得ない。
鍵ひとつとっても、こんなにもたくさんのギミックが存在している。
秘密の小部屋もロマン。
でも実際の建築法を照らし合わせたとき、実現させるには何をどうすればいいのか。
なんなら利便性と快適さも追求したいけれど、そのためのアイデアは?
絶海の孤島や山奥の一軒家で起こる、クローズドサークルもロマン。
だけど、まずその建物の施工と、そもそもの建築における法律、そしてインフラ整備はどう考えるか。
ミステリにおける定番のシチュエーションは、「舞台装置」によって展開します。
いっそ空想科学と呼びたくなるような「不可思議な存在」「ロマンあふれるギミック」たちを可愛らしいイラストと、分かりやすい文章で解説され、ワクワクが止まりません。
さらに嬉しいのは、ミステリ小説内に出てくる建築家にスポットを当ててくれる章があること。
本格ミステリにハマるきっかけとなった綾辻行人作の館シリーズ、その中で登場する中村清司がこの本の中で紹介されている!
ここでテンションがめっちゃ上がります。
時代背景と共に語られる変遷も読み応えあり。
手元におき、折に触れて読み返したい、資料本としても趣味本としても秀逸な一冊です。
