■アギト 超能力戦争
人ならざるものが引き起こした不可能犯罪ーーアンノウンの脅威を退けてから25年。
突如、半凍死半焼死の遺体が次々に発見される。
事実上休止状態だったG3ユニットの管理官小沢澄子は、楽観視する警視庁に反し、事件解決に乗り出すが、肝心の氷川誠は刑務所の中にいた。
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仮面ライダー生誕55周年記念であり、アギト25周年記念作品。
25年ぶりのアギトは、あまりに楽しみすぎて、再履修することなく、情報も入れず、記憶を呼び起こしながらの鑑賞となりました。
まず第一に!
いや、とにかくなつかしい!
放映当時のオリジナルキャストが続投してくれてるところも多く、嬉しくなってしまいました。
時の流れとその重みがそのまま実感できる演出になっていて、変わったところと変わっていないところの対比が楽しめるのは、リアタイ勢として感慨深いです。
人間関係も、過去から積み上げてきたものと新たに作られたものの対比から、「変わらないもの」を拾い上げられるのも良かった。
日常のわちゃわちゃしたコミカルな面と、じっとりとした「人間の進化」という名目で起こる悲劇性と。
群像劇に近いところもありつつ、不意にクローズアップされるところもありつつ。
かつてアギトを見ていた時、そこには、人ならざる力、超能力をもったもの同士の熾烈な戦いが繰り広げられていました。
その中で、氷川誠は特殊能力を持たない『ただの人間』として、変身ではなく科学の力(スーツ)を着用して参戦してたわけです。
それが25年の時を経て、今度は津川翔一ではなく、氷川誠が物語の主軸となる。
なるほど、これは氷川誠という人間を再度知ることになる物語です。
G3ユニットと不可能犯罪と警察組織、その中で彼の在り方が軸に置かれていて、その生き様が浮き彫りになる。
津上翔一と氷川誠の関係性もそのまま継続されているのも嬉しいです。
時を経て、やることが変わり、立場が変わっても、お互いへの敬意とか気安い感じとか、友人というのとはまた違って、でも確かに信頼がそこにある関係性が、コミカルに、でも時にシリアスに描かれているのがいい。
彼の心を動かすのはやっぱりこの人なんだ、というような、不思議な納得感ともあいまって、じんときちゃいましたし、個人的に盛り上がりました。
映画を見た方はわかってくれると思うのですが、劇中における人の命は非常に軽いです。
ティッシュペーパー並みです。
簡単に丸めて捨てられるくらいの気軽さで命が消費されていくので、色んな意味でハラハラします。
人って簡単に死ぬし、明日どころか数分先の命が保証されない。
メインなら大丈夫という信頼はありますが、新しく登場したメンバーは、生き残るのか、犬死にさせられるのか、裏切るのか、ドキドキしました。
その中で起きる不可能犯罪の無茶苦茶さにもクラクラします。
描き方が思い切りすぎてて、過去のエピソードネタも入れてきてニヤリとしながらも油断できず。
ただ、犯人の動機とか起きてることはむちゃくちゃであっても、『人としての正しさ』は、氷川誠と津上翔一の存在によって揺らぎはしないんです。
さらりと重たいものを手渡してくるので、不穏なのか、チャンスなのかも、ちょっと判断つかなかったりしますが、でも安心感がある。
25年経ってもその本質は何も変わらない、人間氷川誠を信じて追いかける物語を堪能しました。

