私は夢の中で夢を見る。


私が手にする物語は書籍の形をしており、いつも途中から始まる。


巨大な機械(ロボット)を操縦し、互いに陣取り合戦で奪い合うような戦闘が日常の世界。

そこに紛れ込んでしまった異邦人の新隆。

まるで軍師や参謀として頼られるようになっている現状に内心ため息をつきながら、機械を操る組織のひとつで過ごす。


ここは多様性が当たり前のように存在する。

名前もまだわからないが多くの人が住んでいて、日常を営み、そこでは同性婚も許容されているらしい。

炊事場で将来について語らうまだ幼い少年たちの姿がいっそ微笑ましい。

でも、同時に彼らは明日にも死んでしまうかもしれない危うい立場だ。

子供も大人も陣地を守り、奪う戦いに駆り出されている。

自分によくしてくれる女性陣に無邪気な幼な子、そして、巨大モニターでは今日や過去の戦歴を確認して戦略を立て直すルームとか共存する。


新隆は異邦人であり異界人であるが故の現実感の乏しさによって戦略を立てた。

でも次第に彼らの人となりが見えてくれば話は別だ。

じわりとした違和感と共に自分自身の心の領域が侵されていく感覚に顔をしかめた。

早く帰りたい、早く、できるだけ早く、あの子のいる世界へーー



そして物語はそこで終わる。

私はつづきと、そして新隆の行く末を気にしつつ、これは夢だからと忘れる前に友人たちへ語りたいとねがう。

私がいるここは、星の海の中に置かれた施設だ。

先生や主任たちと一緒に、子猫のように甘えて転げ回る幼い子たちの面倒を見ながら私は学ぶ。

世界を、人を、歴史を、この隔絶された空間で学び続ける。


夢に見た新隆の物語の続きをどこかで読みたいと願いながら、私は私の世界で私の日常を過ごし続ける。