影猫と猫コミュニティと落ちこぼれ魔術師な僕の話
影猫とよばれる、不思議な猫がいる
影から生まれ、影に溶ける
悪魔や魔神、魔法使いたちに召喚され、広く使役されてる猫たちだ
でも、その生態は未だ不明なのだとか
そもそも使役と言ったけど、召喚したものたちも彼らを真に従えられるわけではない
契約で縛ることもできない
誰も彼らを本当には支配できない
知らせていないけど、影猫は影猫だけのコミュニティを形成し、互いの情報を交換する猫集会に参加できちゃうんだ
ある魔神が人間界への襲撃を画策したときもそう
情報収集などを命じられた影猫の一匹は、
そのまま大きな影に溶け、その陰から別の場所へと転移する
コミュニティのボス猫に、
「うんとね、収束? しゅうれん? 光の魔術を集めて、なんかするってさ」
自身の見た映像ごと彼らは記憶の情報を共有できるのだ
猫たちの前で機密は機密たり得ない
でもそれを使役する側は知らぬままだ
「ふむ。了解した。アレをやるつもりなのか」
ボス猫は、彼が気にいる人間のために動くらしい
僕はそんな影猫のコミュニティを見学させてもらいながら、
世界中のあらゆる秘密はここに集約されちゃうんじゃないかなと思い始めてる
一介の人間であり、落ちこぼれの魔導師な僕はさて、
思いがけず影猫のコミュニティに入れてもらってるわけだけど
はて?
僕自身は一体これからどうなっていくんだろう?