それは悪夢の一幕にして日常の崩壊
浜辺(砂地)に大量に仕掛けられた罠。
魔神の黒い触手(ムチ)に囚われ悲鳴をあげる子供を救おうと一歩踏み出せば、刹那、剣山を模した無色透明な珊瑚が無数に飛び出し、毒液と酸を撒きながら人の足を焼き貫く。
知らずに飛び込んだものたちの阿鼻叫喚と、その光景を見て尻込みする大人たち。
見ず知らずの子供のために、自分の痛みを耐えてまで駆けつけるのか。
我が身を犠牲にしてまで、正義を執行するのか。
悍ましい生ける鎧を纏った漆黒の魔神は、愉しげに嘲笑いながら、海を背に、己の影から生まれた触手で子供らをじわじわと締め上げていく。
救いを求める子供たちの、恐怖と絶望に染まったまなざしがこちらを見やる。
罪悪感と自己保身と恐怖心で打ちのめされていく大人たち。
そのなかで、矜持と意地で自己犠牲とも言える無謀さで駆け寄る青年がいた。
正義の味方とはいわずとも、子供を見捨てられない彼は、無数の剣山に脚を刺し貫かれながらも、子供の元へと走る。
痛みよりも怒りで、彼は叫び、手を伸ばす。
ためされるのは、己の正義か、それともーー
*・*・*
・夢日記
・深夜枠の特撮ドラマのようなテイスト
・おそらくこれが第一話にして主人公覚醒回
・魔神のモチーフは海洋生物×クトゥルフ
・なお、魔神の造形にはめちゃくちゃお金かけてそうではある