対人支援におけるスタンスや距離感、寄り添うことと依存させることの境界について、
『足を怪我した人』をイメージして考えてみた。
◆紹介状
相手に必要そう(役立ちそう)な情報を提供したり、時には専門家へつなぐ紹介状的スタンス。
提案メインであり、実際にどうするのかは本人に委ね、手は出さない。
距離的にもやや遠め。
◆松葉杖
一時的に相手の支えになる松葉杖的スタンス。
でも、それはいずれ手放すものという認識は常に忘れず、相手にもそれを忘れさせない。
なにより、松葉杖をつかって歩くのは本人の足であり、うまく使うためには本人の努力が必須。
うまい松葉杖の使い方をレクチャーしたり、落ちた筋力に対して正しくリハビリを促すまで行く場合もあるけど、その場合は専門性が不可欠。
◆車椅子
本人は松葉杖をつかえば歩けるかもしれないのに、車椅子となって抱えて行くスタイル。
車椅子が必要な人もいるけど、ちゃんと本人にあったものを提供しないとさらなる怪我の原因になる。
離脱のタイミングを逃すと、自分の足で歩くことを忘れて本来の力がメキメキ削られて行くことにも。
不要なのに車椅子に乗せ、それが自動で動いたり、後ろから押してあげたりと、あれこれ全面的にお世話をしたくなったら危険。
これは支援ではなく、依存でたり、時に共倒れのケースにも移行する。
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本人が自分の足でしっかりと立ち、自分で方向を決めて前に進んでいけるように、お手伝いするのが対人支援と考えてます。
本人の自立ありき。
「あなたがいないとダメ」という『頼り頼られる関係』は、けっこう甘美だったりして、いつのまにかのめり込んでしまうので、ホントに要注意。
自分の関わり方を振り返っておきたいと思うのでした。