◆オーダーメイド物語
【コラボ企画】あなたの作品のイメージで綴る物語4連作
▶︎ご依頼主:アンジェロベレッツァ平澤美保さま
天然石やスワロフスキーを使ったオリジナルのアクセサリーを作られている作家さま。
しかも、推しの概念モチーフでも!!
ふだんづかいから、推しの大事なイベント、ライブ、おでかけに至るまで、トキメキを約束してくださいます。
そんなアンジェロベレッツァさまとやりとりし、『アクセサリーをイメージした物語を綴り、その物語からアクセサリーを作る』という特別企画となっております。
▶︎物語
…*…天使のささやき〜宝飾師とつむぐ4つの輪舞曲…*…
四天使の囁きによって類稀なる装飾品を生み出す宝飾師――《天使憑き》
彼女の真名も、その姿形も、知るものはけっして多くない。
けれど、彼女が手掛けた"作品"を知らぬものはいない。
それは見るもの全てを魅了する。
この世ならざる物語を内包した、天使たちがもたらす世界の欠片の具現化なのだ。
◆白銀の城◆
ふと気がつけば、外は白い闇に閉ざされていた。
凍った窓ガラスには、美しい雪の華が鮮やかに咲いている。
「……恋に堕ちて氷の城に囚われた、精霊の話を聞いたことはあるか?」
不意に、耳元で白の光を纏う怜悧な美貌の天使が囁いた。
刹那――私の視界は、真珠や月光石を散りばめて、氷樹と雪で隠された孤独の森にそびえ立つオパールの城へと切り替わる。
魔術が生み出した夢幻の花に囲まれ、玉座の代わりに水晶の柩の中で少女は眠る。
『目覚めてくれ』『眠ったままでいてくれ』『私を見ないでくれ』『私を照らしてくれ』『忘れてくれ』『想い続けてくれ』『消えてくれ』『永遠にそばにいてくれ』
壊れた想いを歌う矛盾に満ちた言の葉が、魔力を帯びて、純白の光の欠片となってサラサラと柩の上に降り注ぐ。
そうして積もり続けては、彼女を白い世界に閉じ込め続ける。
これは、まさに精霊の恋だ。
定命の少女が己の前から失われることを恐れ、永遠の停滞を望んだ、歪な願いそのもの――
「おれなら、こんな回りくどいことはしないんだけどな」
白い世界で白い天使が、私の視界を白い光で彩る。
「これでおまえを照らすから、おまえも俺を照らしてくれ」
透き通った声に透き通った瞳で、天使は透き通った無垢な笑みを浮かべ、月光水晶の雫を湛える百合の花を私に捧げてくれた。
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★アンジェロベレッツァ様の華麗にして推し愛に満ちたインスタの作品世界をご堪能くださいませ。
そして、そのイメージ力、こだわり、繊細な具現化能力もぜひに!