■日本テレビ開局70周年記念公演『西遊記』


▶︎脚本:マキノノゾミ

▶︎演出:堤幸彦


東京公演にて観劇。

1/28に全70ステージ完走で大千穐楽、天竺へと到達されたことに拍手喝采しつつ、ネタバレ含みの感想です。

我らがTAEM NACS戸次重幸が猪八戒役ということで、久々の観劇遠征。

初の明治座にて、歴史ある劇場でじつに豪華絢爛たる舞台を堪能してきました。


札幌ではトークショー付きの上映会(舞台映像)を観ましたが、映像はどうしてもカメラマン次第なので、そこは予習という位置付けに。

見どころ、チェックどころ、注目どころを意識したうえでの生観劇となりました。


まず!

演技力がさすが。

松平の殿の存在感とか出オチ感とか、大真面目にやって、そこにおかしみが生まれる絶妙な配役と展開。


お馴染みのあのドラマ西遊記を知ってると、3時間の公演時間でまとめられられたドラマチックな構成適度なコミカル感、脚本演出の巧みさ、構成力の魅せ方に感動なのです。

「そう来たか!」を何度も味合わせてくれるの最高です。


そして、さすが、舞台装置と環境がすばらしい!

ナマの歌声の伸びやかさがたまりません。


ミュージカルのように挟まれる歌がいいのですよ。

耳に心地よく、観劇後も頭の中に残りつづける不思議な中毒性。


小池徹平演じる三蔵法師がちゃめっけたっぷりで、ときどき夏目雅子のお師匠様が頭をよぎるのですが、いい意味で記憶を裏切ってくるのが楽しい!

片岡孫悟空との関係性が、ちょっとずつ変わるのを追いかけられるのも良きです。


猪八戒、沙悟浄、玉龍のトリオのコミカルな動きには思わずほっこり。

映像で見た時よりもさらに公演を重ねて、トリオの息もぴったりで、掛け合いが一層楽しく、見ててハマり感が気持ちいいです。

メインの演技の横や後ろで細かく演じてるところを観れるのはナマ舞台ならでは。


トリオは、(トークショーでも話してましたが)舞台の裏側の準備関係で本編と関わらないわちゃわちゃシーンが用意されてます。

これが毎回3人でネタ合わせしてる、新鮮なものだと知れたのも嬉しい!


沙悟浄と猪八戒は、天界verと天界から落とされた後verでのキャラ変が見事で気持ちいいです。

そういえば妖怪と言いつつ彼らってこうだったわ、と記憶が蘇るのですよ、楽しい。


お馴染みの金角銀角兄弟がストーリーに絡んでくるのも、「そこで終わりじゃないんだ!?」的なトリッキーさで良きです。



松平牛魔王と中山美穂鉄扇公主のロマンスと王族的存在感の圧倒的説得力!

後半のメインとなるお二方のストーリーがまた、切なく痛々しく、でもその全てが麗しく。



孫悟空と牛魔王の出会いから始まった物語が、こういう結末へ向かうのかという感嘆。

2人の出会いと何気なく交わした言葉から生まれてしまった悲喜劇は、ここまで大きく周りを巻き込んで、でもきちんと自ら始末をつけるのかと、背中で語られているかのようで。


この舞台では、各登場人物たちのキャラの芯のブレなさ加減と、適度な「らしさ」と「らしくなさ」のバランスが絶妙なのです。



殺陣はさすがの迫力です。

ワイヤーアクションで縦横無尽に飛び交う姿は圧巻!

しかも機械(オート)操作ではなく全て人力というから驚きです。

迫力あるアクションに感嘆しつつ、時にこのワイヤーを使って笑いも取ってくる芸の細かさもたまりません。


音楽関連では、プロローグ後にモンキーマジックがセットされてるのです。

これはすごい、世代的に最高に刺さる!

日本テレビ開局記念だからこそできるこの曲と、出演者たちで繰り広げられる軽やかでコミカルなダンスにテンション爆上がりです。

あと、ちょいちょい猪八戒が変顔キメてくるのがかわいい。


幕間で三大仙が歌って語るグッズ販促タイムがあったんですが、これ、上映会では見れないものなんですよね。

最高に笑いました!

頭から、テーマソングが離れない。


群舞も最高に迫力があり、目の前で生身のパフォーマンスがこれでもかと言わんばかりに繰り広げられ、時に不気味さや違和感という形にないものまでも具現化せしめてて最高でした。



実に見応えのある、ナマで見れて本当に良かったと噛み締める観劇体験となりました!


■追記

長丁場ならではなのか、幕内をはじめとしたお弁当の販売や、予約制で休憩時間に場内食堂で食事できることに驚く北海道民。

すごい世界観だなぁとしみじみ。


■追記2

ブロマイド付きのチケット先行のおかげで、戸次猪八戒をお迎えできました。

それにつけてもパンフが豪華です。箔押しがまぶしい。




西遊記【公式】