キャラ描写におけるヘイト管理考


・読み手の感情を揺さぶるのは大事

・主人公を引き立てる悪役も必要

・倒されることで読み手がカタルシスを得られる存在は重要


でも、登場するだけで不快なキャラにしてしまうと、作品として大きなつまずきになってしまう。

実際、いろんな作品に触れる中で、何度かそのキャラの言動がストレスになって読むのを途中でやめたという経験が。


で、ふと思ったのです。


糾弾されるシーンや、そんな行動をとらざるをえないと読み手が納得感できる描写、キャラなりの信念や美学がないと、ただただストレスになる。


主人公が乗り越えるべき苦難の描写として用意されてたとしても、不快さが上回ると読むこと自体をやめてしまうリスクの方が高くなる。


でも、まだ悪役ならいいのですよ。

カタルシスを用意できるので。

むしろ、悪役以上にヘイト管理でシビアな判定となるのがヒーロー&ヒロイン役の言動。


・行動原理がまったく理解できない倫理観の欠けたヒーロー

・不必要な嘲笑や暴力(言葉含む)をくりだすヒロイン


とくに意識せずにセクハラ、モラハラ、パワハラと読み手に感じさせる描写をしてる場合が危険。

それとわかっていて書いてるかどうかで、めちゃくちゃ評価に差が出てしまう。

書き手の倫理観が試されるから。


・倫理とは、尊厳をいかに守れているか


その扱いや考え方は、自然と作品の外へと伝わってしまうものです。


おかしいものをおかしいと思わずに書いてると、キャラへのヘイトがコントロールできずに、さらに作品そのものへの予想外の反感や反発を生んでしまうのですよね。


ヘイト管理、ほんと大事。

そして倫理観や言動にズレがないか、自身の中の固定観念や価値観の見直しとアップデートも表現者として大事。



ちなみに。

個人的にバトル系を扱いつつも作品世界の倫理観がすごいなと思うのは、ONE先生、荒木飛呂彦先生、野田サトル先生。

時にエグいけど、明確な一線と美学的な定義を感じられるのがほんとすごいです。