荒木飛呂彦の漫画術(:荒木飛呂彦)


創作者なら、たとえ字書きだとしても読むべき!

というわけで,おすすめされてた一冊を図書館で借りて読んだのですが。

読み終えて思うのは、すごいスッキリ感と納得感。


・二次創作だとサクサク書ける理由

・一次創作だとイマイチになる理由

・スターシステム(あるキャラを別作品に起用)を使いたくなる理由


自分の中で、これが実にすみやかに整理整頓されました。

すべては、


『キャラクターの作り込みと掘り下げ』


この一点に尽きる!(もはや真理)


キャラの掘り下げをしていくと、世界観も掘り下げられていくのですよね。

これはファンタジーだけでなく、身近な題材を舞台にしても、同じことが言える。

彼らが生きる場所を作り込んでいきたくなるというか、作り込まざるを得なくなる感覚です。


・自分にとって、何が面白いのか

・読み手の視点に立った時、何を望むのか。

・その上で自分は何を描きたいのか


キャラを掘り下げ、世界観を掘り下げ、面白いと思うものを掘り下げ、その過程で自分自身を掘り下げていく。


同時に、自分が漫画を読んでいて溜まってたフラストレーションの出所にも納得の理由を見つけられました。

主人公は困難に立ち向かって欲しいけれど、マイナスに落ちていくのはストレスなのですよ。

ドキドキハラハラしたいけれど、最後はきっちり勝つところが見たい。

プラスを積み上げてくとこを見せて欲しいのだと、改めて思えた次第。


求めていたのはそこ、という自己理解の進み具合を見ました。



しかも、キャラの作り込み方とあわせて、見せ方や物語の組み立て方を学べるのです。


そのうえ、

漫画を描く上での『黄金の道』を、荒木先生ご自身の漫画はもちろん、他作品からも実例を挙げて語られていく様は、指南書としてだけでなく、読み物としても秀逸!


創作者として必要な工程がとてもわかりやすく提示され、言語化されているのがさすが。


漫画術と称されてはいても、「創作に携わるクリエイターならぜひ!」と全力推しとなる逸品でした。


『荒木飛呂彦の漫画術』特設ページ