*タロットカードで綴る500文字の物語
Facebookにて、オーダーメイド物語の新メニュー考案のために募集したモニター企画第2弾。
タロットカードは大アルカナ(22枚)をモチーフにしています。
空・海・陸のうちで好きなものをひとつと、
こちらが提示した数字から2つ選んでもらい、
それをもとに物語のカードを引きました。
11編を、ご依頼主様の許可をいただき順に公開してゆきます。
タロットカードで綴る物語 #6太陽
祝福の砦に囲まれた“神の庭”に惜しげもなく注がれるのは、楽園の愛、真実の光、聖なる旋律。
麗しく輝かしい日々が紡がれていく。
けれど、ひとたびその庭から踏み出せば、あるのは過酷に過ぎる魂の修練場だ。
役目を終えた魂たちを浄化する夢幻の泉で、私は同胞とともに天使として、幾度もその光景を見てきた。
束の間の休息を終えて、再び試練に挑む魂たちに、私は深く強く惹かれていく。
どれほど傷つき、苦しみ、血を流しても、それでも使命を帯びて現世へと戻っていく魂たち。
時には、負った傷が癒え切らないままに、降りていくものもいる。
交わした契りを今度こそと己に課して発つものは、一層誇らしげでもあって、その輝きと強さに惹きつけられた。
力になりたい。
関わりたい。
楽園ではなく現世の地で、私は彼らを癒したい。
その衝動は、これまで存在してきたどんなものよりも激しく私を突き動かした。
約束の地でただ魂たちを眺め、時に慰めるだけではない、彼らとともに在りたいと願った私にもたらされたのは、神の慈悲であり、神からの試練だ。
あふれんばかりに与えられた“祝福”を歓喜の歌とともに携えて、その日、私はヒトの身を得て“地上”へ降りた。
了
◆タロットカード:太陽
◇キーワード:守護、歓喜、幸運と支援
Copyright RIN
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思わぬシンクロに驚いていただけたり、「癒された」「すっきりした」と言っていただけたり。
タロットのなせるわざなのか、どこか暗示的な物語が多い印象となりました。