アドラー心理学については、『嫌われる勇気』が有名でしょうか?
「一旦これを全部忘れてください」から始まる講師の先生の話術はとても巧みで面白かったのです。
最初の問いかけが、「最近イラッとしたことはなにか?」でした。
なぜ相手にイラッとするのか。
この問いへの答えで見えてくるのは、「こうあるべきなのに相手はしない」「こうあるべきという自分の願望が裏切られた感覚」というのがとても興味深かったのですよ。
そして語られ、再確認させられるのは、
『自分と相手は別の人間』ということ。
つまり、それぞれが別々のルールのもとで生きている、ということ。
「かくあるべき」という価値観は、あくまでも自分の世界だけのルールだっていうことは、わかっているはずなのについ忘れがちなことでもあるんですよね。
視点を少しずらしてみることで、自分の中のルールを知るきっかけになり、それは自分自身を知ることにもなる。
この体験はなかなかに楽しいものなのです。
ほかにも、様々なことがギュッと詰まっていて。
レジュメ配布やパワーポイントによるスクリーン投射もなく、板書しながらの講義でもあり、懐かしくも新鮮でした。
・ひとは10歳までに、無能と有能のどちらで生きていくのかを決めている
・チャレンジのハードル設定は、その人のスキルレベル(初級,中級,上級)にそろえる
・仕事とは契約関係でもある。なので、大前提(指示されたことはやる、やらなければペナルティがある)の設定をする
・『キャロルの時間モデル』を頭に置いておく
感覚でなんとなくやっていたことや考えていたことが明確に言語化、体系化されていく過程も楽しく。
現場でのモヤモヤも解消されていく。
2時間の中で、『アドラー式とはなにか』『人を育てるとは何か』を、具体的な形で考えさせられる時間でもありました。