呪術廻戦でナナミンの子供を守る大人な姿に惹かれた方に読んでほしい!
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「嫌な時はな、逃げたっていいんだ」
「お前の人生の主役はお前だ」
強大な力を持つ中学生モブ。
でも彼は、普通であることを望む。
そんな彼の師匠が、自称霊能力者こと霊幻新隆。
繰り広げられるのは、モブの力に目をつけた偽宗教団体や秘密結社、危険な存在たちとの攻防。
普通を望みながら平穏とはかけ離れた日常が展開されている超能力モノ。
と同時に、生き方を、在り方を、関わりを考えさせられる物語。
この作品の凄いところは、絶妙な倫理観といえます。
それを成立させているのが、霊幻新隆という存在なのです。
「霊とか相談所」を営み、霊能力があると偽る詐欺師でありながら、あらゆる客の悩みに対応してみせる。
超能力(霊能力)以外のスペックはむしろ高すぎる、でも決して"かっこいい"で終わらない。
そして、彼の存在という絶対的な"安心感"と"信頼感"は、物語の核でもあるのです。
強大な力に悩む少年たちがいて、
世界征服を企む組織がある。
お決まりの超能力バトルも展開する。
でも、霊幻新隆に超能力はない。
でも、どれほど強大な超能力があろうと、十代のこどもたちを、ただの子供として、自分の背に庇う。
子供たちに大人の事情を負わせない。
弱いことを責めず、過ちを責めず、強さゆえに引き起こされかけた悲劇をも責めず。
大人として責任者として、子供たちの前に立てる。
時には説教もする。
完璧ではなく、清廉潔白では当然なく、でも確固たる倫理観として霊幻新隆はそこにいる。
彼が投げかける言葉が、その行動が、時には彼の意図しない形で強く深く相手の心に届く。
少年マンガには、彼のような大人が必要なのだと、そう思わせてくれるのです。
そして、この作品は、絶妙な倫理観とともに、なんだかんだでとてもとても優しい世界でもあります。
アニメも含めて、おすすめ!

