高齢夫婦の痴呆についてのドキュメンタリー番組を見た。
何組かの夫婦の特集だったが、とても印象に残ったシーンがある。
妻が痴呆症になった夫婦のあるシーン。
夫はサラリーマンを定年退職して夫婦二人暮らし。
痴呆症の妻が怒っている、夫に何やら文句を言っている。
夫は少々困惑した表情で素直には妻の文句を受け入れられない様子。
勝手にその夫婦の辿ったであろう日常を想像してみた。
きっと夫は仕事人間、家庭を顧みず、妻はずっと文句も言わずに家庭を守って生きてきた。
夫からいたわりの言葉やねぎらいの言葉、感謝の言葉などかけてもらったことはないのではないか?
安心感に包まれて幸福を感じるような瞬間もなかったのではないか?
痴呆症になったことで溜まっていた我慢の怒りが爆発した、夫の顔色を見て言葉を発するということができなくなったから。
心からの真実の叫びだと思う。
妻の表情はとても怖かった。
20年後の自分を見ているようだった。