私がこれまでの人生でなによりもありがたいと感じているのは、人とのご縁に恵まれていることだ。

結婚してからも職場の上司や先輩にはかわいがってもらい、心温かい友人、知人、同僚に囲まれて共働きを5年間続けることができた。

 

そんな私が人生で初めて自分の努力ではどうにもできない挫折感を味わったのは、なかなか子供を授かれないことだった。

原因は夫の精子無力症で、自然妊娠の可能性は2%と複数の病院で診断された。

 

子供は3人ほしい、賑やかな家族を夢見てきた私にはあまりにも衝撃的で、言葉を失い途方に暮れるしかない挫折感だった、どれほどの涙を流したことか…

もちろん私以上に夫の衝撃はいかばかりだったかと推察できる。

不妊治療のために退職して、やっと結婚13年目に妊娠した時は奇跡だと思った。

 

結婚してからの日々は嬉しいことや楽しいこと、感動に出会えたことも沢山あったが、当時を振り返ると、私の人生の第二章は不妊との苦しい戦いの13年だったと心が叫んでいる。

今でも不妊で悩んでいる人の話を聞くと、とても人ごとには思えない。

 

そんな苦しい日々を知ってか知らずか、嫁ぎ先の義母は再三に渡って孫を催促する言葉を重ねたが、私の両親はただの1度も「孫はまだ?」というようなことを言わなかった、これには本当に救われた。