愛犬の散歩中に同じ町内に住む義父の弟の配偶者である叔母と会った。
できることなら気づかないふりをして通り過ぎたかったが、元来そうしたことができない私である。
5分ばかり立ち話をしたが話の内容はいつもと同じ、今日も気が重くなって別れた。
この叔母、とにかくすごいのである。
結婚から数ヶ月経った頃のこと、いきなり電話をしてきて烈火のごとく怒られた。
ギャンブル依存症の義父のことで、
「あなた達(夫と私)もいい大人なんだから、親のことはきちんと面倒見てちょうだい、こちらに迷惑かけないで」
そもそも義父がどうしようもない人で言われる通り迷惑をかけてきたのだろうが、生まれてこの方親からも、ましてや他人からそんなふうに理不尽に怒られたことなどなかった私には衝撃的だった。
義父の借金がもとで嫁同士の叔母と義母は揉めることも多かったらしく、要するに円満な親戚付き合いができていないのである。
叔母は長年の腹立たしさを私で発散するかのように、結婚以来ずっと、
「あなたは○○家の嫁なんですから」
と、ことあるごとに何の躊躇もなく言い続け、義父母に対する批判も大分聞かされてきた。
義父が亡くなって義母の躁鬱病が酷くなった時には近所とのトラブルも多かったのだが、ほぼ毎日のように電話をしてきては耳にしたそのトラブルのあらましを私に伝え、最後にはきまって「あなたも大変ね」と心配しているようなことを言うが、本音は近所の噂や自分に降りかかる迷惑を私に話すことで解消しているにすぎず、一方的に逐一報告される私の気持ちにはまったくお構いなしであった。
その度に私は「どうにかしなさい」と責められている思いで謝罪の言葉を述べ、何とかしなければと感じノイローゼになりそうだった。
そして、最近会う度に言われるのが、
「○○ちゃん(夫)は愛情を受けずに育ったかわいそうな子なの。だからいろいろあってもあなたが我慢して、愛して、優しくしてあげてね、お願いね」
今日もその台詞を聞かされた。
この叔母の言動は余さず夫に伝えてきたが、夫は何もしてくれずに今日に至っている。
「義父母のことは私でなくあなたに連絡するように叔母さんに言ってよ」と何回も頼んできたが、結局「分かった」と言うのみで何もしないのが夫である。
もう正直うんざりなのだ。
離婚したらこの叔母とも縁が切れる、という思いが頭をよぎった。