2023年ミステリーランキング3冠達成!
「このミステリーがすごい!」第1位
「ミステリが読みたい!」第1位
「週刊文春ミステリーベスト10」第1位
米澤穂信、初の警察ミステリ！
二度のミステリーランキング3冠（『満願』『王とサーカス』）と、『黒牢城』では史上初のミステリーランキング4冠を達成した米澤穂信さんが、ついに警察を舞台にした本格ミステリに乗り出しました。
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」)
榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)
連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
いつも思うのですが米澤穂信さんの短編は読みごたえがあって短編集とは思えない満足感があります。
今作は新シリーズで群馬県警が舞台。
葛(かつら)警部の捜査能力と部下への指示も無駄が無い分、ヒリヒリとした緊張感の中での捜査に引き込まれます。
部下も優秀な人間しかついていけない。
そんな葛警部の捜査中の食事はいつも菓子パンとカフェオレなのだ。
1話目の「崖の下」はアンソロジー『神様の罠 (文春文庫)』で既読だったけど、シリーズになったことでもっと面白くなった。そして、もっと読みたい。
初出 オール讀物
「崖の下」 2020年7月号
「ねむけ」 2021年2月号
「命の恩」 2023年2月号
「可燃物」 2021年7月号
「本物か」 2023年7月号
出版社 : 文藝春秋 (2023/7/25)
単行本 : 280ページ
『氷菓』でも知られる米澤穂信さんですが、「小市民シリーズ」のアニメ化も決まったそうです！
楽しみ
（米澤穂信ファン）
